19話 ページ19
「ごめんな、まだケガ治ってないのにコキ使って」
「いやいや、これだけの量１人でこなす方が無理あるから。
ケガ自体大したことないし、当事者だし、一応私秘書ってことで呼ばれてるから事務処理も全然大歓迎よ？」
「ほんと助かるわ。あとでロボロとシッマにもヘルプに来てもらえるよう声かけてあるから」
一つ事が片付けばまた事は起きるもので。
どこから嗅ぎつけたのか、軍のほうから此度の一件の報告書を提出するように求められたのだ。
中将の認識を把握していない軍と政府陣営のお偉方は外交問題に発展する可能性を危惧したのだろう。
今回の状況を鑑みてそれは絶対ないとしている我々からすればこの上なく面倒な仕事である。
「私はとりあえず、エール中尉発砲時の様子をまとめればいいかな？」
「うん。にしても、やっぱ慣れんわ」
トントンははにかみながら言う。
「なにが？」
「敬語使わないAちゃん」
「まだそれ言う？そのネタいつまで引っ張るの？」
「その使い慣れない感じがより違和感を生むんだが」
「だってタメ口？なんて使うの、今までで初めてだし」
「え、子どものときとか、軍学校入る前とかどないしてたん？」
「ん〜、施設っていうか、修道院では全然喋らなかったからね」
「まじか」
「まじだよ」
答えるとトントンはプッ、と吹き出した。
「なにそれｗｗｗさすがにその返事はおかしいやろｗｗｗ」
「そっか。…そう、だね」
「反省せんでもいいよ。そういうとこは相変わらずかよｗｗｗ」
「そういうとこ、とは？」
「えらい真面目やなって話」
「私から真面目をとったらなにも残らないからねー。
トントン、報告書こんな感じでいい？」
「え、もうできたん!?」
「喋ってたからちょっと時間かかったけど」
「嫌味かな？」
「嫌味、とは？」
「そのままの意味ですけどぉ？」
「えー、わからないなあ」
「その棒読み絶対わかっとるやろ。あ、報告書おっけー」
「よし、次どれ？」
「次こっちの報告書。内容いっしょな」
「は？なんで同じこと書かなきゃいけないの？」
「窓口別やからな」
「まあ知ってるけど」
「デスヨネー」
「よし、３分で仕上げるから」
「このスピードやったらあいつらいらんのとちゃうか…？」
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煌月(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、最後までお楽しみいただければ幸いです！ (2017年7月10日 17時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - ひとらんカッコイイです。続き応援してます (2017年7月10日 16時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
