18話 ページ18
「じゃ、行ってくる。
今日中に帰ってくるつもりだが、帰って来れなかったらオスマンのせいってことで」
「責任重すぎぃ!!」
「…やっぱり私も行くよ」
「いやAは残っとき。なにされるかわからんからな」
「うちの大切な仲間連れてかれたらこっちもたまったもんじゃないし？」
「俺が責任持ってつれて帰ってくるから待っといて、な？」
３人におさめられ、私は泣く泣く残ることになった。
エール中尉が乗ってきた車をシャオロンが運転することになり、グルさんとエール中尉が乗り込む。
そしてオスマンが１人うちの車に乗りついて行った。
一昨日のことが嘘のような穏やかな朝に、私を撃った憎い人はやっと帰っていった。
「Aちゃん、ちょっと来て？傷見るから」
「え゛」
「普段無表情な割に嫌そうな顔ははっきりするね」
「薬だけくれればいいのに。処置くらい１人でできるもん」
「そうだよ、薬預けとけばいいじゃん。実は下心でしょ、それ」
片づけを手伝ってくれていたらんらんがぴしゃりと言う。
「まー、無くはないわな」
「本人目の前なんだから否定しろよ」
「事実なんやからしゃーないやん？
それに、化膿したりしたらあと面倒やから見ておきたい。
ちゃんとした医者にかかってるわけやないしな」
悔しいが渋々鬱先生に見てもらうことにした。
お目付け役にらんらんも付いてきてくれたし、変な事は起きないだろう。
「うん、経過は良好そうやな」
私はベッドに座らされ、鬱先生は椅子に座り簡単に診察をする。
「鬱先生の処置のお陰デスネ」
「なんで若干心無い感じなの？
それよりも、らんらん？なんというか、律儀やな」
「普通だろ」
らんらんは扉の前に立ち私たちにずっと背を向けている。
肩とは言え、素肌を露にしている私に気を遣っているのだろう。
人数が少ないのにこんな常識的な人から非常識な人までここの振り幅はすごい。
「はい、ええで。またしばらくしたら様子見るけどな」
「えぇ〜…」
「なんでそんな嫌われてるの、僕」
「そんなの自分の胸に聞いてみろ」
終わったのを聞いてらんらんは私の隣に座る。
「思い当たる節が多すぎて分からんわ」
「開き直んなよ」
「えへ〜、ごめんて〜」
「…きっも」
「鬱先生が最初にちゃんとした診察をしてくれればここまで嫌わなかったんだけどね」
「お前何したんだよ」
「いや、そこまで重大じゃないよ？
って、もうグルちゃんからお叱り受けてるからお腰の物は納めてや!!」
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煌月(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、最後までお楽しみいただければ幸いです！ (2017年7月10日 17時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - ひとらんカッコイイです。続き応援してます (2017年7月10日 16時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
