15話 ページ15
今日の一件について話し合うために、シッマとトントン以外大会議室に集まった。
窓から差す斜陽を背に、私は言う。
「心配させてごめん。私は大丈夫だから」
その場の時が止まる。
グルさんだけが余裕そうな表情を浮かべた。
シ「Aちゃん、今」
う「タメ口、やったなあ」
ゾ「心開いたな」
オ「もう少し表情が柔らかくなればもっと良いのに」
ロ「いや十分やろ!!」
ひ「オスマン、贅沢言うな」
「慣れないなら戻しますが」
そのままでいいから、と６人がワーワー言っていると、シッマが大会議室に飛び込んできた。
シ「気ぃついた!!」
昼過ぎの一件から４時間が経過していた。
グ「俺はエール中尉の話を聞く。A、水を持ってきてやってくれ」
ロ「そんなん俺やるわ。Aちゃんにさせるのは酷やろ」
「いや、やらせて。ありがとう、ロボロ」
ロボロを座らせて、私は水の入ったグラスを持って４階に向かった。
厚い石壁の向こうからわずかに人の気配を感じる。
たぶん、ここ。
初めて入る牢の重い扉をゆっくり開けると、シッマと目が合う。
「お水、持ってきた。どこに置けばいいかな？」
シ「へ!?」
ト「…誰？」
鉄格子のそばでカヅサの様子を見ていたトントンは振り返り問う。
「失礼じゃない？トントン。ちょっと変わっただけでしょ？」
ト「ホンマに撃たれたの肩だけやんな？脳震盪でも起こしてんのとちゃう？」
「大丈夫だから!!」
グ「そうだゾ。Aは至って普通だゾ」
部屋の隅のデスクセットの椅子に座るグルさんはニヤつきながら言う。
コ「まあ、ええわ。あとで詳しく聞かせろ」
シッマの視線がグルさんに刺さる。
そんなのも気にせずグルさんの表情は変わらない。
ト「ここから差し出してやって」
「エール中尉、水を持ってきました」
コ「そっちは敬語なんか」
だって私、この人の事覚えてないもの。
幼馴染設定で接待感覚で名前で呼んでただけ。
エール中尉はベッドに座りうなだれている。
私の声に一瞬だけ視線が向いたものの一切動かない。
ト「どうするよコイツ。洗いざらい話してもらう？」
グ「大体分かっている。この際戻しても構わん」
コ「甘いわグル氏」
「とりあえず、交渉材料に使って向こうの出方を見ても良さそうだけど」
グ「コイツにその価値があるかってトコやな…。よしトン氏、そいつ締めろ」
ト「任せろ」
コ「…ホンマ、おっそろしいわ」
確かに、この２人が浮かべた悪どい笑みは人間のものとは思えなかった。
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煌月(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、最後までお楽しみいただければ幸いです！ (2017年7月10日 17時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - ひとらんカッコイイです。続き応援してます (2017年7月10日 16時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
