２話 ページ2
新設組織本部、それは奥深い森の中に佇む洋館。
国境が近いものの、小高い山の頂上付近に立地するそれは堅牢な守りが敷かれている。
「早速我らがリーダーのとこに案内します」
案内されたのは２階の左奥の部屋。
「失礼いたします」
「グルさん、連れてきましたよ」
「おう、早かったやないか」
そこは応接室で、金髪でメガネの男性が肘をついて座っていた。
軍人らしい清潔な身形からは緊張感が放たれている。
「本日からこちらの秘書官の任を命じられました、A・A少佐であります」
姿勢を正し敬礼をする。
「…久しぶりだなあ、それ」
男性はふふっと笑いを含みながら私を見る。
「もしかして、トントンもやったん？」
「そらちゃんと返さなアカンやろ。ただでさえ軍人と絡むの久々なのに、緊張したわ」
敬礼が久しぶり、ということか？
どういうことだ？
「A少佐、でしたね」
「はい」
「ここは特殊でね。かつての軍人たちで組織された、軍でも国でもない集まりなんよ。名もなき影の組織で、強いて呼ぶなら『我々』といったところか」
かつての軍人たち、軍でも国でもない…？
「私は、軍の新設組織の秘書官では」
「それは表向きの名目だ。ここは軍というより国と言ったほうがしっくりくる。
なにか期待させていたようなら申し訳ないな。
さて、どこからどこまで説明しようか」
より強い緊張感が走る。
「とりあえず名乗ったらええんちゃう？」
「忘れとった。
私はここを仕切ってるグルッペン・フューラー。
よろしく」
「あの、階級を伺ってもよろしいでしょうか」
「んー、残念ながらここは軍じゃないからな。
階級など無い」
そう言うとグルッペン氏は本来階級章のある場所をポンポンと叩いた。
「強いて言えば総統かな」
と、コソッとトントン氏が耳打ちしてくれた。
総統閣下、とでもお呼びしたら良いだろうか。
呼称があまりにも現実離れしすぎていて不安になる。
「次にここの説明をしたいんだが、良いかな？」
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煌月(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、最後までお楽しみいただければ幸いです！ (2017年7月10日 17時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - ひとらんカッコイイです。続き応援してます (2017年7月10日 16時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
