春紫苑 (ページ16)

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上映後、正門先輩は

｢ごめん、Aちゃん！ほんまはホラー苦手やろ！付き合わせてしまったな｣

『普段、あまり見ないですけど先輩が見たそうにしていたので、私もなんか見たいなって』

｢そんなん遠慮せんで言ってくれてよかったのに
ほな、夜飯はAちゃんの好きな物で！｣

好きな食べ物か…。

『 …焼き鳥がいいです』

｢え、ほんま？遠慮とかしてない？｣

『はい、大好きなんです！焼き鳥！』

｢ほんまに好きそうでよかった、じゃあ行こうか！｣

そこで、連れてってもらったのは

正門先輩がよく来るという焼き鳥屋さん

｢大吾に、女の子となんやから焼き鳥は辞めとけって言われたんやけど、Aちゃんが本当に好きそうでよかったわ｣

『なんか、想像つきます。大吾先輩が言ってるところ』

｢せやろ！あ、なに飲む？今日は奢ったるから好きなだけ食べて、好きなだけ飲みや！｣

『じゃあ、お言葉に甘えて』

そこから、たくさん先輩と話をした

正門先輩も焼き鳥が好きで好きな部位はぼんじりだということ

将来は、音楽関係の会社で働きたいということ

ギターは中学生の頃にハマったこと

話を聞いてるだけで幸せだった

好きな人と一緒にいるのが幸せなんだなって

その時そう思った

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