春紫苑 (ページ11)

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Daigo side

｢ Aちゃんたち、今日来ないんかな｣

最近のお昼の特等席、いつもいるはずの2人は今日はいなくって、隣にいる親友は項垂れていた

｢お前、嫌われたんちゃう？｣

｢え、俺なにかしたんかな？｣

｢そんなん知らんわ、自分で考えろや｣

卵焼き食べれると思ったのになんて言う親友に腹が立った

｢お前、Aちゃんの弁当のおかずが好きなんか？それともAちゃんが好きなんか？｣

｢なに、その質問｣

｢エレナさんのことは、もういいんか？｣

｢今更や。エレナさんは、もう俺には関係ないことや｣

エレナさんは、正門が高校時代から長年片思いしていた先輩で、最近学生結婚が決まったらしい。その彼と付き合い出した頃から正門は諦めていたけれど、会う度に目で追ってるのを俺は見てるから、なんとなく諦めていないように感じていた

｢なに大吾。いつも俺の話を興味無さそうに聞いてるのに、やたら今日は真剣に聞いてんな｣

｢そんなことない、Aちゃんのこと話してるお前、なんかいつもと違うから気になっただけ。もう素直に認めろや｣

｢多分、好きなんかな｣

素直に認めるべきなのは、正門の恋を応援するって決めたのに、諦めきれないのは俺の方かもしない

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