検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:6,698 hit

夜野 魁利 ページ1

「やっほー、Aちゃん。遅くなってごめんね?」
「あっ、魁利くん!! 大丈夫、私も来たばかりだし…」


本当は、嬉しすぎて30分前くらいに待ち合わせ場所に来てしまったけど、それはあえて秘密にしておく。

凄く楽しみにしていたことをバレるのは少し恥ずかしいし、もしかしたら引かれるかもしれないし…。


兎にも角にも魁利くんは優しいから、こんな私と祭りに一緒に来てくれてるんだから早く来て当然、と言い聞かせた。

……こんなこと思ってる自分が虚しく感じるけれど。


「そうなんだ、じゃ行こっか」
「うん!!」


私は今日、魁利くんに告白しようと思って、彼を祭りに誘った。

ひと夏の終わりを、こんなに苦しいと感じながら過ごすのも、全て私が魁利くんを好きになってしまったから仕方ないのだ。

「(だから、こっ酷く振ってね、魁利くん)」



_______




「金魚沢山取れたぁ!魁利くんありがとう!」
「いーえ、喜んでもらえて俺も嬉しいよ」
「大事にするね、ありがとう!」


私は告白するまでの時間を、精一杯楽しんでいた。
楽しむのは精一杯やることではないと思うけど、あと数時間で関係が切れてしまうから、楽しむしかない。


そう、考えてた。



「俺さ、うじうじする人嫌いなんだよね」
「…そうなんだ〜」


気のせいなのか、それとも気のせいではないのか。
どうも、私のことを言っているように感じた。

グサッと心に何かが刺さったようで、呼吸するのが苦しい。


「何で隠しちゃうの?何で秘密にするの?ってなるんだよね、俺ならなんでも聞くのに」
「それ、誰の話…」
「Aちゃんしかいなくない?


ねぇどうなの。_____俺のこと」


魁利くんはいつの間にか私の前に立って、私の目をじっと見つめた。

もう逃げられない。


本能がそういったように思えた。


「隠してなくて、今日言うつもりで…」
「じゃあ俺のこと、どう思ってるの?」
「それは……



すき、です…」




その後、何が起きたか覚えていない。
ただ、打ち上げられた花火と共に魁利くんが何か呟いていたのは覚えている。

何を言っていたのかは、花火で聞こえなかったけど。






今、魁利くんと私は手を繋いで歩いている。
きっと、魁利くんの返事は「そういうこと」なのだと思って。








「…………すき、魁利くん」

宵町 透真→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

葉月(プロフ) - 私も圭一郎好きです! (2018年8月29日 16時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
ながつき かよ(プロフ) - 、さん» 教えて頂きありがとうございます…!オリジナルフラグになってたの気付かなくて、すみませんでした…。以後気をつけます! (2018年8月22日 8時) (レス) id: 48a2af0add (このIDを非表示/違反報告)
- オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です。ルールをちゃんと守りましょう (2018年8月22日 3時) (レス) id: 0334701550 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まろこ | 作成日時:2018年8月22日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。