【刀剣乱舞】本丸の付喪神【勘違い】

2、突然 ページ2

それは、本当に突然の出来事だった。







＿＿＿＿主さんが、倒れた。







主さんが倒れたのは、昼餉を食べ終え、縁側を歩いているときだった。





その時、たまたま近くにいた獅子王が主さんを薬研くんの所に連れて行ったため、大事には至らなかった。





だが、薬研くんが主さんを見たところ、主さんは、もう時間が無い。と言われた。





...悲しかった。





こんなに、皆を思っている、思われている人の生の終わりが近いだなんて。





世の中は、酷いことばかりだ。





なんで、この人を亡くすなんて惜しいことをしようとするんだろう。





...人間の体は、なんで｢寿命｣なんてものがあるんだろう。





私達、付喪神みたいに何年も生きれたらいいのに...。





なんで、と考えていたらきりがない。





...私より、悲しんでいる刀(人)達が、ここに居る。





安定｢主...主まで、僕を置いていかないでっ！｣




もう、一人は嫌だよ...！と泣きながら主を見る安定さん。




安定さんがそう言い出すと、みんなも涙を流しながら主、主...！と声を上げる。




...私も、泣きながら主さんを見る。




すると主さんは｢泣くな。｣と言った。




そう言われても、涙が止まるはずがない。







『...お前らと居れて、楽しかった。』






『...お前らを残して逝くのは辛いな...。』






『...お前らは、こっちに来るんじゃないぞ...？』





『.........今まで、ありがとう。』





主はそう言い、微笑んだ後、目を閉じた。




その微笑みは、すごく優しかった。




皆は大泣きをし、ある者は主の名前を呼び続けていたが、主は何も反応を示さなかった。





...本当に、主さんは逝ったんだ...。





寝ているだけに見えるけど、もう、息をしていない。






＿＿＿人間は、脆い生き物だと知った。

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