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私が見たものは「なに」? ページ21

「花火大会、今週の土曜日だって。A予定空けとけよ」


「うん。楽しみ…」


「んじゃ、俺凪んとこ行ってくるから」




「あ……玲王…!」






ん?と振り向く玲王






「……なんでもない。練習頑張ってね」


「おう!」






玲王の笑顔は私には眩しすぎた。








花火大会のポスターを見る。
来週の土曜日、楽しみだ。
……玲王とデートなのに素直に喜べないのは全部、私のせいだ。もう戻せない過去の出来事への後悔がまとわりついてくるから






「ねぇ。A」


「!…凪くん…」






後ろから声をかけられた。







「…玲王が探してたよ」


「俺ん家の鍵」


「あ、うん。これ」








凪くんの手のひらの上に鍵を置く。
玲王に凪くんと一緒にいるのを見られたらと思うと、私は自然と凪くんがいる別の方向へ歩き出す







「……花火大会行くの?」








「……盗み聞きしてたの?」








「たまたま。」







「なんでそんなこと聞いてくるの?」







「………」







凪くんは何故か答えてくれなかった。
ただ黙って、首を右手で触ってる。








「あ!!凪!!」








玲王の声で全身の血の巡りが一気に早くなる。
玲王から見たらただ「宝物の凪」と「彼女の私」が話してるだけなのに。






「こんなとこにいたのかよ。部活行くぞ」


「…めんどくさい」


「いーから。A、今日は先帰ってる?」


「ううん。玲王の事待ってる」


「そっか、無理すんなよ」







玲王は私の頭を撫でる。






「うん、花火大会楽しみ」







私は凪くんに見せつけるかのように言った。
だけど次の言葉が私の思考を止めた








「凪、お前も彼女(・・)と行ったらどうだ?花火大会」








……え







「……え?」






声に出てたと思う。
今、何が聞こえたのか脳に司令が上手く通ってない。
凪くんに、彼女?











「……考えとく」


「行ってやれよ。喜ぶと思うぜ」








瞬きもしてなかったと思う。
私はただ、脳内によぎる出来事と共に表情を崩さないようにするのに必死だった






《かわいー》


《は…A…》


《俺が高校でAと出会って付き合って、って…したかったなって。》







私がみたものは聞いたものは





なんだった?

時に優しさは何よりも痛くなる→←両立なんて聞こえがいいだけだ



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ネピア(プロフ) - かなみんさん» お優しいコメントありがとうございます!!とても嬉しいです!焦れったい凪くん好物、すごい分かります!!更新頑張ります…!! (2023年3月4日 0時) (レス) id: ad423e21a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネピア(プロフ) - さくらさん» お優しいコメント嬉しいです😭原作の凪くんがかっこよくてちょっと罪悪感抱きながら凪くんも玲王くんも動かしてるのですが、更新頑張ります!! (2023年3月4日 0時) (レス) @page24 id: ad423e21a0 (このIDを非表示/違反報告)
かなみん - この作品大好きです! いっつもばちばちにかっこかわいい凪くんのじれったくて複雑な感じも大好物……。ぜひともこれからも応援させてください! (2023年3月3日 21時) (レス) id: 26c456de04 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 毎回毎回続きが楽しみです!!!更新がんばってください!!! (2023年3月3日 16時) (レス) @page24 id: e896ee84d8 (このIDを非表示/違反報告)
ネピア(プロフ) - まきずしこんぽた♪さん» うわぁ…めちゃくちゃ優しいコメントに有難い限りです……ありがとうございます!!!これからも更新速度上げられるよう頑張ります…!!有難い… (2023年2月1日 16時) (レス) @page14 id: ad423e21a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネピア | 作成日時:2023年1月22日 0時

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