俺が欲しいって言わせるまで【ブルーロック】

何回も言わせないでよ ページ20

「そうだ凪くん！次、試合いつ？」


「…来週木。」


「私、応援行くよ…！」







「無理。」




「え！？」








完璧ガードでズガンと断られる。
一応もう一度聞いてみたが「無理。」と当たり前の如く、打ち砕かれた







「えー、なんで？」


「…失敗するとことか、見られたくないし、負けるかもしんないし」










「勝負の世界ってそんなの当たり前じゃない？」





……そう答えるAはキョトンとしている。

運命って意外とその辺に転がってるもんなんだね



凪くんがいなかったら、踏み出せなかった1歩、神様はきっと、私が道を外さないように、凪くんと巡り会わせてくれたんだね







Aは時にかっこよくて、俺よりも大人で。
当たり前な事を思い出させてくれる人で。
俺には手に入らないようなものを沢山持ってて

そんなAが好きで。






「ね？いいでしょ？」





誰よりも可愛い笑顔。
そんな顔されたら、もう何も言えない




「……いーけど…」


「やった！」






ファンとして応援しに行くねと今から楽しそうなA

そんな彼女の笑顔を大事にしたい
毎日会いたい…
高校の時から、ずっと。

ずっと…











「…じゃあさ










次の試合、勝ったら付き合ってくれない…？」









「いいよ？」








凪くんは目を見開いて
頬杖ついていた手から顔を浮かせ

暫く時間経ってから返ってきた「え？」と驚いた表情
ほんのり頬がピンクになっている





と思ったら直ぐに目を逸らして、手で口を隠している
そんな照れる事じゃない筈なのに
…ん…？？あれ、待って。








「……ぁ……？」







頬をピンクにさせる凪くんの何倍も真っ赤になる私。
つ、きあってって、そういう！？こと、だよね…！？





「ふぁ、え、凪くん…？」



「……」



「あ、えと！いいよって言うのはそういうのじゃ…」


「え？」


「付き合ってって、その、試合終わった後にお疲れ会とかそういう…？の？だと思って」








あの凪くんが私と「恋人になりたい」と言ってきた事と、それを全く別の意味として捉えてた申し訳無さというか、
もう心臓がバクバクすぎて、上手く言いたい事がまとまらない











「……全然違うし。Aと恋人になりたい。」





俺だって恥ずいんだから何回も言わせないでよ、と
静かに呟いた

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