26． ページ28
A視点
A「へ？」
嘘？
嘘。
嘘…
うそ。
脳内で何回も繰り返した。それでも、僕は理解できなかった。
何故そんな嘘を？
A「何故、そんな嘘を？」
次に出て来た言葉は、どうしようもないくらいしょうもなく、でもどこか、気持ちの入った言葉だった。
gr「…国民があんなに酷い暮らしをしているのを、総統がそのままにしておくと思うか？」
A「…？酷い暮らし…？」
gr「日常的にしていることは慣れてしまうだろう。故に分からなくても仕方ないと思うが、はっきりと言うと、君の暮らしは俺たちから見ればとても悲惨なものだ。今の暮らしも、過去の暮らしも。」
本当に意味がわからなくて、首を傾げた。
それをわかっていたように、グルッペンさんは書類から手を離し、一つの紙をおもむろに取り出した。
gr「君のことが気になったのでな、軽く調べさせてもらった。…君は両親に捨てられたのだろう？」
その言葉に心臓がどくどくと鳴り始めた。今でも思い出せる。まだ歩けないくらい小さかった頃。
村中の人たちが僕の事を蔑んで、ひどく暴力をふるって。僕の事を恐れる人もいた。
みんな口を揃えて「この子は鬼の子だ！！」両親もそれを言った。
村中が僕を拒んだ。何度も僕は鬼の子じゃないと心の中で思った。
その頃の記憶を覚えてる時点であんまり人だとは思えないんだけどね。
gr「…私は、君に来て欲しかった。君に、ちゃんとした暮らしがして欲しかった。君に、鬼の子として生きることを、重荷として考えて欲しくなかった。まあ、全部俺の我儘だな。」
A「…は、はぁ……。」
呆れたような声が出た。確かに心底呆れているが、別の感情もあった。
その感情がだんだん膨らんで来て、僕はだんだん笑い始めて来てしまった。
A「…ははっ、ははははっ！そっかぁ、嘘だったのかぁ……僕、僕のために嘘なんてつかれたの初めてだぁ！っふふ、あはははっ！！」
嬉しさに似た、でも非なる感情が笑いとなって出て来た。あれ、どうしよう、笑いが止まらない。
こんなの初めてだ。
ああ、面白いなぁ！！この人は！
A「っうふふ、僕のためについてくれた嘘なんですよね？きっと。だったら僕は別にいいです、大丈夫ですよ！ふふ、っあははははは！」
こんなに笑ったの、久しぶりだ！
--------------
パッとしない締め方になってしまった…。たくさんの閲覧有難うございます！励みになります！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あっち - 可愛い男主可愛い好きもう可愛い(語彙力皆無) (2022年1月3日 22時) (
レス) @page40 id: fd65faa451 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 宇琉夜ハルさん» 本当ですね…！！修正しておきました！ありがとうございます！ (2021年7月21日 19時) (レス) id: 01370c8287 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 37.でハイスペースとなってます！ハイペースでは？ (2021年7月12日 6時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 匿名希望さん» ありがとうございます〜！！とても励みになります…！！ (2021年5月3日 4時) (レス) id: ca89470f25 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - ひゃー！！！めっちゃすきです！！！偶におとこがでてくる、まるちゃんが尊いぃ..... (2021年5月1日 20時) (レス) id: 97296c8ef5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：える | 作成日時：2021年4月9日 2時
