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『ただいま』
千「ちょっとA!?こんな時間までどこに行ってたのよ、姉さん心配したじゃない。」
『えっ、ご、ごめん………』
千「こんな夜遅くに一人で帰ってきたの?」
『ううん、途中で玲王くんに会って送ってもらった。』
千「そう、ならいいけど。貴方は可愛いんだからちゃんと危機感持たなきゃ。」
確かにこんな遅くまで外を出歩いていたのは初めてかもしれない。千夏姉さんの慌てぶりに驚いたけれど、何も考えていなさそうに見えて私のことをちゃんと考えてくれていることに少し嬉しくなった。
それから食事と入浴を済ませ、部屋に戻ったタイミングでちょうど誠士郎から連絡が来ていた。
『もしもし、誠士郎?』
凪「もしもし。ちゃんと帰れた?」
『うん、帰れたよ。』
凪「Aが帰ってから夜遅いことに気付いてちょっと焦った。送ってけばよかった。」
『ふふ、本当に心配性ね。大丈夫だよ。』
凪「本当に?変な人に声掛けられたりしなかった?」
『あー途中で玲王くんに会って送ってもらったからかな。何もなかったよ。』
凪「え、あぁ……あのお金持ちの人?」
言ってからしまったと思った。私のことを好いてくれてる人に私の好きな人と一緒に帰った話なんてされたくないに決まってる。現に少し声のトーンが落ちたし、少なからず落ち込ませてしまったのがわかった。
凪「次からは家まで送る。」
『え、いいのに。めんどくさいでしょ?』
凪「………確かに俺、昔からめんどくさがりだけどAのことをめんどくさいって思ったことは一度もないよ。」
『そっか、ありがとね。』
凪「うん、もう寝る?」
『そうだね、夜も遅いし。』
凪「……………」
『誠士郎?どうしたの?』
凪「やっぱ切りたくないや。朝まで繋げててもいい?それで起きたら俺のこと起こしてよ。」
『しょうがないなぁ、いいよ。』
凪「やった。じゃあ………おやすみ。」
『ん、おやすみ。』
誠士郎に一度告白されたのは高校に入ってからだった。私が昔から玲王くんのこと好きだったのは知っていたし、しょっちゅう泣いてた。その日も姉さんに好き好きする玲王くんを見ているのが辛くて、泣いていた気がする。それからは鈍感だと言われる方な私でさえわかるくらい、アピールしてくるようになった。
私は誠士郎を利用している。ほんとに最低だ。
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未来 - 面白いです!続きを待ってます♡ (11月13日 18時) (レス) @page3 id: 289a124293 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。更新頑張ってください (11月13日 17時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆ | 作成日時:2023年11月12日 19時