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you side
それから1時間くらい抵抗を見せたけど、お父さんとお母さんも「ええやん」としか言わんくて。わたしの味方はどこにもおらんかった。
帰り道、車で来てた小島くんの運転で2人が待つ家に帰る。お母さんがおかずを持たせてくれたから、買い物に行く手間が省けた。
「なあ、さっきの話本気？」
小「おん。だってウェブとかさ、味気なくない？」
「まあ…できれば声で伝えたいってのはある、かな」
小「ヤンタンもありかなと思ったけど、せっかくファンのみんなに直接伝えるタイミングあるねんし、そっちのがええやろ」
「でも、さすがにショック受けへんかなあ。せっかく楽しみにライブ来てんのに」
小「付き合ってることは知ってんねんし今更ちゃう？」
赤信号。重なるのは影じゃなくて、右手と左手。
その左手には、まだ新しい、わたしのよりもシンプルなゴールドのリング。アクセサリーなんか全然つけへんくせに、この指輪を買うのは躊躇しいひんかったらしい。
結婚、するのか。ほんまに。
小「おまえさあ」
「ん？」
小「最近どうなん」
「なにそれ」
東京で別々に暮らすわたしたちは、最近仕事でしか会わへん日が続いてた。ただそれは、今に始まった話じゃない。
それもあって、実感がないんやろうか。それともずっと一緒に過ごしてきすぎて、「結婚」というものに執着できひんだけなんやろうか。
右手から伝わってくる温もりは、何年も前から変わらへん。
それだけでよかった。
「うーん、早くライブしたいなーって」
小「そうねえ。待ち遠しいよな、夏が」
「そうなんよお。そのことばっか考えちゃって」
小「俺も」
「でも小島くんも結婚式の衣装見に行かなあかんで」
小「そやなあ。正直なんでもええんやけど、俺は」
「わかるー。今決めてもさ、気ぃ変わるかもしれんやん」
小「…今の衣装の話よな？」
「え？うん！衣装の話よ？」
ぎゅ、と、重なる左手に力がこもった気がした。
今更離れるわけないのに、まだ不安に思うことがあるんか。
「…小島くん」
小「ん？」
「好き」
目を合わさずにそう伝えると、左手が離れて温もりだけが残った。
見いひんくてもわかる。ポリポリと首の後ろをかく、照れたときの仕草。
小「おまえ、5年ぶりかよ」
「あは、ほんまや」
小「わかりきったこと言うなや。俺も好きやわそんなん」
青信号。肩を並べて車に乗れることが、今の幸せ。
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リリー(プロフ) - わさび醤油さん» コメントありがとうございます。労いの言葉、うれしいです😭ここまで読んでくださりありがとうございます！ぜひ引き続きご愛読いただけますと幸いです☺️ (2022年9月27日 8時) (
レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - めぐさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでくださりありがとうございました！ぜひ、いろんな伏線があったので読み返してみてください☺️大好きだなんて…！🙇♂️次回作でもお待ちしております！ (2022年9月27日 8時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - 本編完結おめでとうございます。お疲れ様でした。とても面白かったです。今後も楽しみにしています。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 本編完結おめでとうございます！終わってしまい寂しいのと、続きがある事が嬉しくて楽しみなのと😌完結したら最初から読み返そうと決めてたので、結末を知った上で読んでこようと思います！リリーさんもあなたに夢中。も大好きです☺️💕 (2022年9月25日 0時) (レス) id: 19a0d7c3e3 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - まきさん» コメントありがとうございます。驚かせてしまってすみません😭「寂しい」だなんて、本当にありがたいお言葉です…。ぜひ次回作も楽しみに待っていていただけるとうれしいです☺️ (2022年9月24日 12時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリー | 作成日時：2022年3月22日 20時
