・ ページ19
Yoshinori side
福「どしたん」
正「え、寝てたん！？」
撮影を終えて急いでホテルに帰ってシャワーを浴びて、ごはんも食べずに大晴の部屋に訪れた。
のに。
正「なんで寝てんのよ！」
福「え、俺なんで怒られてんの」
正「怒ってへんよ！とりあえず入るで」
ズカズカと部屋に入れば、しっかり寝てた証拠に乱れた掛け布団が目に入った。それと、テーブルに置かれた豆乳のパック。
それを見つめる俺をよそに、大晴はまたベッドに寝転がった。
福「それ、Aの飲みさし。置いていきよったか」
正「…やっぱり来たんやな」
福「来たっていうか、俺が呼んだかな」
ふああ、とあくびをしてわしわしと頭を搔く仕草はあまりに普段と変わらんくて、逆に不安になった。
なんでかはわからへんけど、俺は「今日」やと思った。2人きりになれるタイミングやからとかいろんな理由はあるけど、ほんまに直感で。
ただ、想像している結末はきっと当たっていて、自分の直感を褒めてやる気にもなれへん。
正「…大晴から言うたん？」
福「おん。え、よおわかったな」
正「なんとなくそんな気がした」
いや、正しく言うなら「大晴ならそうする気がした」。
福「ふられる前にふったみたいで、恥ずかしかってんけどさ」
正「うん」
福「1回くらい、なんか言われる前にあいつの手を引いて導いてみたかってんな。楽しくて正しい方向に」
正「なんでやろ、めっちゃわかるなその気持ち」
福「せやろ？なんでこんなこと思うんかなって思ったらさ」
それって、いつもこじけんがやってることやったわ。
それから、いたって普通の大晴とずっとちょっと泣きそうな俺は、なにげない話ばっかりした。
そんななかでも何回も出てくるAの名前に、時々心を痛めたのは俺だけやったんやろうか。
Aは大晴になんて言おうとしたんやろう。俺と風雅の意見を聞いてこの結果になってしまったのか、それともAは、ほんまは違うことを伝えたかったんやろうか。
聞いたら教えてくれるやろう。でもそんな野暮なことはしたくなかった。
福「なんや、めっちゃ余ってるやん豆乳。飲んだろ」
正「…間接キスや」
福「ほんまや。ま、ええやろ、友達やし」
正「切り替え早すぎて怖いんやけど。え、実感ないだけ？」
福「だって俺、こじけんのこともAと同じぐらい好きやもん」
(強がりじゃないみたいね。俺の直感は当たる)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1618人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリー(プロフ) - わさび醤油さん» コメントありがとうございます。労いの言葉、うれしいです😭ここまで読んでくださりありがとうございます！ぜひ引き続きご愛読いただけますと幸いです☺️ (2022年9月27日 8時) (
レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - めぐさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでくださりありがとうございました！ぜひ、いろんな伏線があったので読み返してみてください☺️大好きだなんて…！🙇♂️次回作でもお待ちしております！ (2022年9月27日 8時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - 本編完結おめでとうございます。お疲れ様でした。とても面白かったです。今後も楽しみにしています。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 本編完結おめでとうございます！終わってしまい寂しいのと、続きがある事が嬉しくて楽しみなのと😌完結したら最初から読み返そうと決めてたので、結末を知った上で読んでこようと思います！リリーさんもあなたに夢中。も大好きです☺️💕 (2022年9月25日 0時) (レス) id: 19a0d7c3e3 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - まきさん» コメントありがとうございます。驚かせてしまってすみません😭「寂しい」だなんて、本当にありがたいお言葉です…。ぜひ次回作も楽しみに待っていていただけるとうれしいです☺️ (2022年9月24日 12時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリー | 作成日時：2022年3月22日 20時
