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Ken side
強引に抱きしめることも、いきなりキスすることも、戸惑うあいつに追い打ちをかけることもしてきたのに。
あいつが近くにおらんくなった途端、俺はなんもできんくなった。
正「あ、おかえり」
「トイレ行ってくる」と謎の言葉を残して部屋を出て行った俺に、まっさんは何もつっこまへんかった。
正「ちゃんと話できた？」
小「なんのことやろ」
正「いやもうバレバレやから。Aんとこ行ってたんやろ？」
濡れた髪をタオルで拭きながら、まっさんはそう言った。やっぱバレてたか。
小「…話してはないかも」
正「ふ、ほな何しに行ってん」
小「俺が一方的にしゃべってただけかもしれん」
正「なんやそれ。小島もそういうことあるんやな」
必死やった。あの日、Aが東京に行ってしまった日も、靴が2足なくなってるのを見て焦ってマネージャーに電話したっけ。
今思えば、あのときAに電話をかけとけば、もうちょいなんかできたんかもしれへん。
小「はあ〜」
正「でっかいため息。でももうAも戻ってきたわけやしさ。落ち着いたやろ？」
小「んー、まあ、そやな」
正「なんや、いきなり素直やな」
小「なんかもう、認めるわ。俺、あいつのことあんまり見えてないんかもしれへん」
正「それは誰と比べて？」
小「…大晴、とか」
大晴は、まちがいなくAの心の拠り所で。
悲しいときやうれしいときに大晴にだけ泣き顔を見せるのが、ずっとずっと苦しかった。
しんどそうなときも、俺が気づいて誘導してやらな吐き出さへんし。それはもうあいつの性格みたいなもん。
それに甘えて、心のどっかで「あいつなら大丈夫」「いざとなれば俺が吐き出させてやれば大丈夫」って思ってた。
でも、それは全部あいつが隣にいてくれたらの話やったんやって気づいた。
正「…大晴も、そう思ってるかもな」
小「なんて？」
正「いや、なんも。でもこじけんってさ、Aに対して恋愛感情もあると思うけど、リーダーで同期やのに何もしてやれへんかったっていう責任感もあるんじゃないの？」
小「それは、…そうかも。むしろそっちがでかいかも」
正「あの子はもしかしたら、その気持ちのほうがうれしいんちゃうかな。仕事のために自分の気持ち犠牲にしちゃう子やから」
やからこんなことになってるんやろ？
そう言って笑うまっさんにつられて、へらりと笑う。
よかった。見失うところやった。
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リリー(プロフ) - めぐさん» めぐさん、いつもコメントありがとうございます！いつも励みになってます(；＿；)アフターストーリーのほうが読み応えある可能性もあるので、ぜひ楽しみに待っていてください！引き続きお楽しみいただけますと幸いです。 (2022年3月22日 9時) (
レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - お仕事がお忙しい中、更新嬉しいです〜！ありがとうございます！！好きすぎて完結してほしくないけれど、アフターストーリーは早く読みたいという不思議な気持ちです笑。もちろん長くなるの大歓迎です！！続き楽しみにしております〜！！ (2022年3月22日 8時) (レス) @page49 id: 19a0d7c3e3 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 千紗さん» 千紗さん、コメントありがとうございます！あたたかいお言葉ありがとうございます…（泣）お言葉に甘えてしまいそうですが、わたしも早くヒロインがどちらを選ぶか知りたいので、がんばって書き上げたいと思います（笑）引き続きよろしくお願いいたします。 (2022年3月22日 3時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
千紗(プロフ) - リリーさん初めまして。物語も佳境、主人公がどちらを選ぶのかドキドキです…！そして何より、お仕事が忙しい中も更新し続けてくださりありがとうございます。無理のないよう、主様のペースで大事に書き上げてください！ずっと応援しています ◡̈ (2022年3月22日 2時) (レス) @page49 id: f0313b62fd (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - ゆさん» ゆさん、コメントありがとうございます。最近あまり更新できていなかったのですが、今日という日に間に合ってよかったです（ ; ; ）まだまだ続きそうですが、これからも楽しく読んでいただけますと幸いです！ (2022年2月18日 2時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリー | 作成日時：2021年12月21日 22時
