・ ページ4
you side
「ごはん買って帰る？」
福「あー、でも冷蔵庫のたまご使い切らなやばいかも」
「あ、ほんまやね。ほななんか作ろっか。鶏肉あるから親子丼とか？」
福「お、ええな親子丼」
撮影終わり、駅から2人で歩いて家まで帰る。2人きりになることをすっかり許されたわたしたちは、生活を元に戻すことができた。
大切なものは失って気づく、とはよく言うけど、ほんまにそんなふうに思った時間やった。思いのほか短い時間やったけどね。
「すいません、Aぇ! groupの三神さんと福本さんですか？」
後ろからかけられた低い声に、ビクリと肩を揺らすのはまだ直らんけど。
「びっ…くりしたあ。もう！小島くんやん！」
福「おまえわざとやろ！」
小「うん、わざと。撮影終わり？」
福「おん。飯食った？」
小「まだ！今日の晩飯なに？」
「親子丼」
福「おまえの分はあらへん」
小「そんなん言うて作ってくれるやんか福本さ〜ん」
福「その呼び方やめろや〜もう」
わたしを挟んで歩くようなことはせず、大晴くんの隣で歩き出す小島くん。わたしのことをさりげなく通路側に追いやるのが彼らの優しさ。
「あ！三つ葉がない！スーパー行かな！」
小「はあ？絶対いらん」
福「うーん、どっちの気持ちもわかるんよなあ」
「え！？親子丼といえば三つ葉やろ！」
福「『といえば』ではないよ」
小「なくてもええって。ネギあるやんネギ」
「タマネギ入れんのにまだネギ入れんの？」
福「大変悩ましいですね、この問題は」
小「まっさんに聞こうや。もうちょいしたら帰ってくるやろ」
「ほな正門くんにLINEするわ。『いる』って言うたら小島くん買いに行きや！」
小「なんでいらん派の俺が買いに行かなあかんねんおかしいやん」
あとから思い返して「しょうもな」としか思えへんこの会話も、楽しくてしゃあない。
何年一緒にいても、「まだまだ一緒におれちゃうな」って思えるから不思議。
正門くんへのLINEを打ち終えて、小島くんがポストを確認して大晴くんがオートロックを開けて、わたしがいち早くエレベーターのボタンを押しに行く。部屋の前に着く頃には、LINEの返事が来てた。
「あ…正門くんが『え、三つ葉いらんよ(笑)』やって」
小「ほらみい。聞くまでもなかったな」
福「(笑)までついてるやん」
「裏切られた気分やわ」
ため息をつきながら大晴くんが開けてくれたドアを通ると、部屋の電気がついていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 988人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
^_^ - もう、夜中に読み漁って、、、もう、、話を読み進めるたびに、この人！？この人！？ってなって全員行け！って思うけどやっぱり推しと、、繋がってほしい、、です、、大好きなお話です！ありがとうございます！ (2022年6月28日 3時) (
レス) @page12 id: 32dc2075cf (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - かつみさん» わー、またコメントいただけてうれしいです！ありがとうございます。実は前にコメントいただいたとき、誠也くんをどうするかめちゃくちゃ悩んでいて…（笑）引き続きお楽しみいただけますと幸いです！ (2021年10月31日 13時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - きゃー誠也さま、でてきましたね！うれしいです！ (2021年10月31日 13時) (レス) @page34 id: c63f8802c7 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 涼花さん» 涼花さん、コメントありがとうございます。ビバちぇとの関係性、すごくいいですよね…！お気遣いありがとうございます。今後もぜひご愛読いただけますと幸いです！ (2021年10月18日 9時) (レス) id: 17cd2db3b1 (このIDを非表示/違反報告)
涼花(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます、、！個人的にはびばちぇのどちらかと結ばれて欲しいと思っております笑。本当にこの作品大好きです！無理せず更新頑張ってください、！！ (2021年10月18日 3時) (レス) @page17 id: 2442b1f5fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリー | 作成日時：2021年10月11日 21時
