・ ページ9
no side
6人が語る三神は、一貫して「普通の女の子」。
「ジャニーズ事務所の紅一点」と言われて抱くイメージとは、まったく違うものだった。
「ジャニーズの女の子ってだけで、なんかすんごい無理してたりとか、はたまたチヤホヤされてたり、みたいなイメージじゃないですか。そんなんほんまになくて。彼らは仕事中、わたしを女扱いしませんよ。もっとしろやって思うくらい」
「やからバンジーも飛ぶし激辛も食べるし顔汚しにいくし。いや、どれもめっちゃ嫌ですけどね。メンバーもヒヤヒヤしながら見てるらしいです」
「ダンスのレッスンとかも、彼らと同じ体力があるていでやってます。もちろんないんですけど。でもなんでもやってみなわからんし、やってみたらわかることのほうが多いから」
彼女の存在を否定する人も、五万といる。
それについてどう思うか、今回1番聞きたかったことだったが、あまりにもデリケートな話。スタッフは聞けずにいた。
「アンチについてどう思うかしゃべりましょか？いっぱいいますからねえ」
彼女からの提案に驚く暇もなく、彼女は話を始めた。
「前に、晶哉くんにも聞かれたんです。『無理してへんか』って。でも、それって入所前からわかってたことなんで。あんなに魅力的な先輩方でも叩かれるときはあったわけやから、わたしが入って叩かれないわけないじゃないですか」
「今さらどうこう言うことじゃないんですよね。全部わかってたことやから。あーあ、この話しても山場作れへんかった。どうしよ」
「強い」という言葉で片付けていいものではないが、それ以外の言葉が浮かばない。
彼女のこの強さは、どのようにして培われているのだろうか。
「まあけっきょくは彼らといると楽しすぎて、しんどいはずのことをしんどいって思えへんくなってるだけなんです。麻痺してますよね。でも、この麻酔が切れることはないですよ、きっと」
深夜0時。そう言って彼女は、ロケバスに乗って去っていった。今から心霊スポットでの収録だそうだ。
三神A。「普通の女の子」。
彼女の素顔を暴くつもりで今回の取材に挑んだはずだった。
しかし、彼女は最後まで「素顔」らしいものを見せることはなかった。
なぜなら彼女はいつだって素顔で、彼女にとっては「覚悟」なんてあって当然だからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 793人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリー(プロフ) - 鹿丸さん» 鹿丸さん、こちらこそ読んでいただきありがとうございます！そんなふうに言っていただけて、本当にうれしいですし活力になります…。サマスペ楽しんできてくださいね！ (2021年8月4日 23時) (
レス) id: 59f8ea7227 (このIDを非表示/違反報告)
鹿丸(プロフ) - リリーさん» 何度もすみません。お話更新嬉しいです！ありがとうございます。生きる希望をありがとうございます。サマスペの現場を月末に控えているので毎日なにかしらの形でAぇを補充しているのですが、リリーさんのお話が1番満たされます(*´ω｀*) (2021年8月4日 22時) (レス) id: 7ac5503d98 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 鹿丸さん» 鹿丸さん、コメントありがとうございます。うわー、なんてうれしいお言葉…。そんなふうに言っていただけて、こちらもうれしすぎて不思議な気分です！これからも鹿丸さんの素敵な時間になりますように。最後まで楽しんでいただけますと幸いです！ (2021年8月2日 22時) (レス) id: 59f8ea7227 (このIDを非表示/違反報告)
鹿丸(プロフ) - コメント失礼します。昨日の夜中に読み始めて気づいたら朝の4時でした。ずっと頭の中にこのお話の世界観が残っていて不思議な感じです(о´∀`о)しばらく私の中で妄想が止まらなさそうです（笑）素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月2日 21時) (レス) id: 7ac5503d98 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - りかさん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃうれしいです…（泣）これからもしばらく「誰と！？」が続きますが、楽しく読んでいただけますと幸いです。お気遣いもありがとうございます！少しでもりかさまの毎日の癒やしになれているとうれしいです。 (2021年7月26日 9時) (レス) id: 59f8ea7227 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリー | 作成日時：2021年7月13日 1時
