あなたに夢中。Ⅱ (ページ46)

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you side

少し前に、事務所から「その後どうや」とヒアリングされた小島くんは、「ストーカーはまだいます」と答えた。

それは嘘でもなんでもなく、あれからも何回かポストに届いていたストーカーからの熱烈ラブレターを、小島くんが回収していたという。

小「Aは隠されたら嫌なタイプやろうしはっきり言うけど、事務所にも手紙が届いてたって。『これ以上肌の露出を激しくするな』とか『あんなチャラついた男がいるグループからは脱退させろ』とか」

「大晴くんのことかな…」

福「おいやめろ」

つまり何も終わってはいなくて、なんなら加速していたらしい。

それでもわたしが何も知らんかったのは、まちがいなく小島くんや大晴くんをはじめメンバーたちがうちに来てくれてたからやった。

小「てなわけで、やっぱりまだAを1人で住まわすことはできひんていうのが事務所の判断ね。やからリーダー、引き続き一緒に住んでくれへんかと。頼れるのは小島しかおらんのやと」

リ「絶対そこまで言うてないけど、まあ正論やな」

「そっかあ…ホテル暮らししよか？」

小「ホテル暮らしは、人目につくし簡単に他人が入れてしまうし、万が一なんかあったら一般の人を巻き込むから、やっぱ引っ越しやて」

末「まあ、たしかに。Aは引っ越しが嫌なん？小島が嫌なん？」

「二択やとしたら『小島が嫌』のほうやな」

佐「ごめん、わりと真面目な話中やのに笑ってしもた」

正「他の人やったらええってこと？」

「いや、これ以上みんなに迷惑かけたないなって…思ってんけど、やっぱ嘘。なんもない」

福「なんやそれ」

「『みんなに迷惑かけたくない』って言うたら『メンバーやねんから迷惑かけたらええ』とか言い返されて終わるパターンやなとおもて。お言葉に甘えまーす」

小「おまえの想像通りや。めんどいから甘えとけ」

「いろいろありがとお、小島くん」

小「俺も大学卒業したら家出よおもてたし。あっ、1個だけルール変更あります」

佐「そもそもルールなんかあったんや」

末「なに？」

小「えーみなさん、物件見ましたね？部屋数多かったですよね？」

正「なんなん？エンターテイナーなん？」

リ「そのツッコミもなんなん？」

小「ありがたいことにわたくし小島健、お仕事増えてきております。そこで、もう1名住んでくれとお達しが来ております」

誰にする？

そう言うわりに小島くんは、彼のほうしか見てへんかった。