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you side
クリスマスに正座させられてるの、西日本でわたしだけな気がするわ。
「やから、別になんかされたわけちゃうんですよ」
正「でもA、それって立派なストーカーよ？」
末「なんか起きてからやったら遅いってまじで」
リ「とりあえず、引っ越しやな。マネージャーに言お」
数週間前くらいから、無言インターホンが続いてて。モニターを見たら知らんおっさんが立ってた。
もちろん開けたことはないし、インターホン越しに話したこともない。ずっと無視してる。
最初はなんかの勧誘とか営業かなって思っててんけど、まあまあな頻度で来るからおかしいなーとは思ってた。
でも幸いわたしは不在がちやし、小島くんやら大晴くんやら友達がよく遊びに来るから、その存在を忘れてる時間も多かった。
から、言いませんでした。そう言うと、ため息が6つも聞こえた。
正「大晴とこじけんは見たことないん？」
小「ないんよね。たまたまやと思うけど」
福「一応、Aが1人のタイミングを見計らってるってことなんかな」
佐「でも今日とか、俺ら全員いるのに」
正「さすがにコンサート後やし、1人やと思ったんかな」
リ「クリスマスやしなんか渡したかったとか」
末「念のため、あとでポスト見とこか」
黙るわたしをよそに、チェーンをかけに行ったり、マネージャーに連絡したり、盗聴器がつけられてないかとコンセントを調べたり、テキパキと動き出すメンバーたち。
なんなら小島くんなんかスマホで物件探し始めてるし。
「なんかすいません」
リ「全然ええよ、とは言えんけど、まだ何も被害ないうちでよかったわ」
末「これからはちゃんと言えよ」
正「やないと、実家帰らなあかんくなるで。ほんまに」
「それはできひん。こういう被害を家族に与えたくないから実家出たのに」
末「やったら、なおさらや。自分の身を守ることも考えろよ」
「はい…」
年長組からのお説教が終わり、年下組がさっきの空気に戻してくれた。
ごはんを食べたりテレビを見たり、誠也くんが晶哉くんになんかされたりし始めた頃、ずっとスマホを見ていた小島くんがこっちに来た。
小「ここは？」
「まだ探してくれてたん！？部屋3つもいらんよ」
小「いるよ。俺も住むから」
「は？」
さっきまでわちゃわちゃしてた部屋が、一瞬で静かに、紫色に染まった気がした。
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作者名：リリー | 作成日時：2021年6月18日 22時
