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Masaya side
ほんまはずっと聞きたくても聞けへんかった。
Aちゃんはそんなこと聞く隙もないくらい、毎日笑ってたから。
「え？どこやろ、どっかいった」
佐「…はあ？」
「キレんといてや」
佐「キレてないです、さっきのは拍子抜けした声です」
「わたしってジャニーズやんかあ。しかも女1人で」
佐「はい」
「それって、入所する前からわかってたわけやんかあ」
佐「…はあ」
「やから、こうなるのわかってたっていうか」
自分で覚悟して選んだ入所やしグループ所属やし、今さら「辛い」とか思わん。
そう言って、パスタを食べ続けるAちゃん。
なあリチャくん、こういうときに言うんですか？「おまえマジか」って。
佐「…そんな人の心ってブレへんもんなんですか？」
「そんなことないと思う。でも、今さら悩んだってしゃあなくない？そりゃアンチのコメント見て傷ついたことないわけちゃうけどさ、まあもう減ることないやろうから、増えへんようにするだけ」
そう話すAちゃんは、なんでなんって思うくらい、素。
佐「Aちゃんの原動力っていうか、その芯の強さみたいなんってどっから来てるんですか」
「雑誌のインタビューなん？ファンのみんなとか、事務所のみんなとか、晶哉くんたち6人とかが、わたしのこと『好き』って言ってくれるから、ちゃう？」
佐「好きですよ」
「ありがと！え、晶哉くん、えっ」
まだパスタ食べてんのに〜と言う声を無視して、俺はAちゃんを抱きしめた。
慣れた手つきで俺の背中に回る腕も、大人しく抱きしめられる肩も、俺の首までくらいしかない身長も、こんなに小さいのに、なんで大きく感じるんやろう。
正「えっ！AがROTに？」
リ「『紅一点の覚悟』かあ…」
福「大丈夫なん、これ」
末「んー…A、いける？」
「えっなにが？もちろんっす」
佐「Aちゃんのすごさ、見せつけるチャンスっすね！」
大きい声でそう言うと、みんなびっくりした顔で僕のほうを見た。
昨日、帰りしなに言うてくれたもんな、Aちゃん。「Aぇのすごさ見せつけるチャンスや！」って。
小「…晶哉の言うとおりやな。でもこいつ泣いたりせんから、過去一盛り上がらへんROTになりそう」
「ほな小島くんを泣かせるわ」
君が笑顔でいるなら、俺も君を笑顔で守るから。
(ほんまは、俺にだけ八つ当たりとかしてくれへんかなー、なんて)
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作者名：リリー | 作成日時：2021年6月4日 19時
