あなたに夢中。Ⅰ (ページ44)

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覚悟のマイ・ウェイ（M.S）ページ44

Masaya side

佐「ほんまにすみません、大晴くん…」

福「ええよ、そういうときもあるって」

正「これからは、爆発する前に言うんやで」

リ「今日のことも、次に生かしていこ」

佐「…すみませんでした」

最近、個人でもグループでも忙しくさせてもろてて。

ほんまにありがたいことなんやけど、大学のこととか、世間の目のこととか、知らず知らずのうちに切羽詰まってたみたいで。

今日のロケでうまく立ち回れへんかったこともあって、大晴くんに当たってしまった。

それを見て、最初に怒ったのは大晴くんやなくて

「晶哉くん、大晴くんって今なんか悪いことした？」

後輩たちを叱るときの、あの顔をしたAちゃんやった。

「晶哉くんはわたしたちのメンバーやから、弱音も本音もぜんぶ吐いていいんよ。でも、八つ当たりはするほうもされるほうも得なんか1つもないし、気をつけよな！」

大晴くんやほかのメンバーに謝罪したあと、すぐにいつもの顔に戻ったAちゃん。

この切り替えの速さと、有無を言わさぬド正論が、尊敬すると同時にほかのJrが怖がる理由なんよね。

僕は1つ、気になることがあった。

Aちゃんは、ジャニーズ事務所唯一の女の子。入所したときもめちゃくちゃ話題になってたし、僕の想像もつかんくらい叩かれていたと思う。

なんなら、今も。こないだAちゃんが出演するドラマのキャストが発表されて、SNSでは「なんでこいつが」「枕してる」とかって少し荒れている。

もちろん、喜んでいるファンの声のほうが多い。でも、どうしてもそういう声はバカデカく聞こえるもんや。

それでもAちゃんが、機嫌を悪くしたり、思い悩む様子はなかった。

俺はその日、思い切ってAちゃんをごはんに誘った。

そしたら何かを察したように、「うちくる？」と笑顔で言ってくれた。

かわいすぎる殺し文句。俺は少しときめきながらも、Aちゃんと一緒にAちゃんの家に向かった。