名脇役の決意（R.K） ページ15
Richard side
今日はライブのセトリを決めるミーティング。いろんな案が出て、あーでもないこーでもないって言うてるけど、みんな楽しそうや。
末「ほな、『名脇役』は決まりやな」
「やったー！あれ好き！」
正「全員ド緊張しないように気をつけましょね」
小「A、前回めちゃくちゃやったもんなあ」
「小島くんも噛み噛みやったやん」
末「ケンカすな。こんどこそ完璧にしよな」
Sexy Zoneさんの『名脇役』。
何回かライブで披露したけど、誰かがうまいこと歌えたら誰かがうまいこと歌えへんことばっかりやった。
その理由は、もちろん練習が足りんかったのもあるかもしれへん。でも俺らの中では、A以外の全員が感情移入しすぎ説が濃厚で。
歌詞がAと俺ら6人の関係と、マッチしすぎてるねんな。小島なんか歌詞どおり「ギリギリ」やもん。
佐「ちょっと提案あるんですけど、いいですか？」
リ「おん」
佐「『名脇役』、Aちゃん以外の6人で歌うのどうですか？」
「え！？」
晶哉がぶっこんできた。こいつもなかなか苦しんでるなあ。
佐「これって、好きな子との友情を壊せない男の歌かなって。やから、Aちゃんをその子に見立てて俺らだけで歌ったら、ちょっと物語感あるパフォーマンスになりません？」
福「あー、それええなあ」
「ええ！？」
小「たしかに、ええかも」
「なんで！？」
正「ストーリー仕立てってウケもいいしね」
「言うてることはめちゃくちゃわかるんやけど…」
見てわかるほどに落ち込むA。この歌、好きやもんな。この歌が好きなら、ちょっとは俺らの気持ちにも気づいてくれたらええのに。
晶哉のナイス提案に、メンバーはじめスタッフさんも賛同しはじめたから、6人で歌うことはほぼ確定。あとはこいつを納得させるパフォーマンスと案を出すだけや。
リ「ほなさ、Aはソロでなんか歌ったらどう？」
「ソロ！？」
小「ヨーソロー！」
「小島くんうるさ」
末「せやな、それがいいと思う。『名脇役』に対抗するようなラブソングがええな」
「わーい！ソロ！やらせてください！何がええかなあ」
リチャくん、何がええと思います？って、うれしそうに問いかけてくる。歌うのが好きなAは、カラオケでもリクエストしたらなんでも歌ってくれる。実際、末澤と張るくらい歌はうまい。
ああ、俺も楽しみになってきた。
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作者名：リリー | 作成日時：2021年6月4日 19時
