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you side
わたしはお酒がだあーーーーーーーい好き。
わたしのハタチの誕生日。先にハタチになっていた小島くんと大晴くんは、わたしを潰すつもりでちょっといいシャンパンとちょっといい日本酒と大量のビールを買ってきてくれた。
でも、2人がテーブルに突っ伏し始めた頃、わたしは6本目のビールを飲んでいた。シャンパンも日本酒も空っぽ。
飲み終わったあと、彼らを起こしてベッドに移動させ、しっかり洗い物まで済ませてシャワーを浴びて寝たのはいい思い出。
昼頃に目を覚ました2人は、「なんで俺らがベッドやねん！」って怒ってたっけ。ほなどうしたらよかってん。
それからわたしはほぼ毎日晩酌して、飲みに行っても自分の足でしっかり帰宅。1回、男の子ばっかりの飲み会に行ったことが誠也くんにバレて、それからは運転ができる誠也くんと大晴くんのどっちかがお迎えに来るようになった。
ただの男友達やから、そんな心配せんでもええんやけど。
向こうもわたしのこと、女として見てへんし。何かが起こったこともないから。
でも、この考えが甘かってんな。
「いやー、高校の時の友達の家で飲んでてんけど、ほろ酔いくらいのタイミングでこう…ブチュッと。やははは…」
ああ、あかん、言わんかったらよかった。
みんな絶句してるから顔でしかわからんけど、めっちゃくちゃキレてる。何が怖いって、1番怒ってるのが正門くんってこと。
あくまで冷静なリチャくんが、無言で正門くんの肩に触れて落ち着かせてるのを見ると、申し訳なくなってきた。
リ「飲みに行くんは全然ええんやで。でも、さすがに男の家には行ったらあかん」
「はい、そこは反省してます」
末「なんであかんと思うか、言うてみ」
「撮られるかもしれへんし、そしたらグループに迷惑かかるからです」
すみませんでした、と少し頭を下げて。おそるおそる頭を上げたら、わたしの目の前には「顔」があった。近すぎて、一瞬誰かわからへんかったけど、これは…
「正門くん、近いです…！」
なんであかんか言うたろか。そう言った正門くんの息がわたしのくちびるをかすめた。
正「しよおもたら、すぐできるからや」
きっと5cmくらいの距離にあるのであろう正門くんの顔が、少し笑ったような気がした。
初めて感じるタイプの「恐怖」。あれ？男の子ってこんなに圧があるもんやっけ？それとも、正門くんが演技派やから？
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作者名：リリー | 作成日時：2021年6月4日 19時
