あなたに夢中。Ⅰ (ページ42)

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you side

本日、バースデーガールでございます。日付が変わってからジャンジャン来るLINEがうれしくてたまらん。

メンバーをはじめ、関ジュのみんなや東京Jr.の子たち、先輩からも。ちなみに一番乗りはみっちーでした。0時前に送ってきたのはご愛嬌やね。

メンバーも0時過ぎやったり、朝やったりに連絡くれた。わたしが今日オフやから、プレゼントは事前にそれぞれからもらった。

たった1人を除いて。別に祝ってくれとは言わんけど、なんであいつは連絡もないんや。

ピンポーン

お昼ごはんを作ろうと冷蔵庫を見ていたら、突如鳴るインターホン。なんか注文したっけ？

モニターを見ると、見覚えがありすぎる帽子のつばからちらっと見える高い鼻。

「はい」

小「俺」

突然の訪問者は、「おめでとう」どころか、昨日の夜にわたしが送った「明日暇？」というLINEすら無視していた男。

「どしたん？連絡してくれたらよかったのに」

小「別にええやろ、どうせ家おるんやし」

「わからんやん、男連れ込んでるかもしれんやん」

小「やったとしても家にはおるやん」

なんかピリピリしてる小島くん。なんでや、そっちから来たくせに。

「ごはん食べた？」

小「まだ」

「焼きうどん作るけど」

小「焼きそばないん？」

「うるさ。焼きうどん作るわ」

小「ちょっと待って」

イスに座る小島くんにコーヒーを出して、キッチンに戻ろうとしたら急に掴まれる腕。

なになになに。怖いって。しかも全然目ぇ合わせてくれへんやん。

わたしの腕を離した小島くんは、やたらと大きいカバンからガサガサ音を立てて何かを取り出した。

「えっ」

小「やるわ、これ」

渡されたのは、白いバラの花束。

「ありがとう！」

小「誕生日おめでとう」

まさか小島くんから花をもらえるなんて思ってなくて、うれしいより衝撃のほうがデカい。

花屋さんで、悩んだんやろなあ。白を選ぶところが小島くんらしいというか。

「めっちゃうれしいけど、なんで6輪なん」

小「6輪しか売ってへんかってん」

「『この棚全部ください』をやったわけね」

小「まあでも、サイズ感的にはええかんじやない？」

「うん。めっちゃきれい。さっそく生けてくる！」

花瓶を取りに行こうとしたら、また掴まれる腕。

小「これもやるわ」

おまえが気に入らんかったら、俺がつける。

そう言った小島くんは、あいかわらず目を合わせてくれへんかった。