あなたに夢中。Ⅰ (ページ3)

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Taisei side

最初に気づいてしもたんは俺で。小島に「これ大丈夫なんかな？」って言うてしもたんも俺で。

そしたら小島が晶哉に「大丈夫やんなぁ？」って聞いてしもて、晶哉が「誠也くん、これやばないすか？」とか言っちゃって。

あれよあれよと男6人が集合して、A抜きの緊急ミーティングが始まってしもたんや。

末「Aの衣装、ちょっと変えよおもて」

「え？なんでですか？ていうかめっちゃ今さらちゃいます…？」

あくまで優しい口調で話す誠也くんに対して、片眉を上げて不服そうなA。

今日もかわいいなぁ。かわいいけど、やってええことと悪いことがあるで。あれは俺から見てもやりすぎや。

「ちゃんと説明してもらわな納得できひん。わたし今の衣装、どれも気に入ってますよ？」

末「うーん…」

実はこれ、めっちゃたいしたことない話で。

こんなけ深刻な雰囲気醸し出しといてやけど、あいつがおらん間に「A、Party-Aholicで衣装はだけさせ過ぎ問題」が発生してしもただけなんです。

間奏の、服をめくりあげるところ。

もちろん前からAも俺らと同じようにやってたんやけど、最近どんどんめくる範囲が大きくなって。

見えてもいいやつとはいえブラチラ、挙句の果てにブラの下のところに指を挟み込んでギリッギリのところまで見せようとする始末。

パフォーマンス中にテンションが上がって露出が増えるのはわかるけど、あいつは俺らとは桁違いに男性ファンが多い。

そう、ファンにあいつの肌を見せたくないという、ただの独占欲で今こんなことになっています。

Aに理由をハッキリ言えへん理由はもちろんあって。

リチャくんが言った、

「Aはよかれと思ってやっているというか、ファンを喜ばせたくてやってるパフォーマンスなんやから、あんまり注意するのもどうやろなぁ」という意見。

これはものすごく正しい。

でも、Aのこととなるといつもより声が高音になる誠也くんと

あいつの下着姿を見たら顔を真っ赤にする晶哉

「同期で同い年で幼なじみみたいな存在」という地位を勝ち取ってその気のないふりをしているけどいろいろバレバレな小島

よき兄貴分みたいな顔して1番あいつに触れられる場所にいたがるまっさん

そして、俺のもんでもないのにいつか誰かにとられるんちゃうかってずっと不安がってる俺からすれば、しっかり大問題やったというわけ。

しょうもないと思う？しょうもなくないねんな、これが。