恋 ６０ ページ10
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ふぅ…と一息つく。
数十分前、
あの甘ったるい空間を切り裂くように、
私は、
貴『寝る前にアンタは勉強でしょうがゴラァ！』
そう彼の腕の中で叫んだ。
彼は『ムードもクソもない！』と反抗したが、
気持ちが軽くなった私的には、
明日の方が大事である。
貴「まぁ、こんなもん…？」
JK「ありがとうございました…」
ジョングクの瀕死の声。
「？」を無くせたのだから良いとしよう。
JK「ねぇヌナ一緒に寝よ〜！」
貴「は？」
JK「ひぃ…」
マジで泣きそうなジョングク。
何でそんな私を怖がるの。
あ、まさか、
女達と同じぐらいのレベルで「は？」と、
言葉を零してしまったからか？
貴「ごごごめんねグクっ。
私怒ってるつもりはっ」
JK「…ヌナやーだー！こーわーいー！！」
私の「は？」が結構強かったらしい。
マジ泣きをし始めるジョングク。
びっくりするほどの展開に、
まさかの泣かせた本人が混乱中。
貴「ちょ、マジでごめんって。
本当にそんなつもりは無くてっ」
怒ってるわけじゃないんだよ。と、
ボロボロ涙を落とすグクに伝えるが、
全然効果はないみたいだ。
オロオロし始めたその時、
彼はポツリと呟くように口を開く。
JK「何でヌナは僕にだけ冷たいのっ？」
彼の本心だった気がした。
JK「ヌナのこと大好きなの僕だけじゃないじゃん！
ジミニヒョンだってヌナのこと大好きなのにっ、
メンバーみんなヌナが大好きなのにっ」
貴「…っ」
JK「何で僕にだけそんな冷たいのっ？」
半開きになっていた口を噤む。
あぁこんなにもこの子を苦しめていたのかと、
何となく。いや、確実に自分が嫌になった。
私は守られているのに。
逆に彼達を守っていたはずなのに。
それをさっき彼から聞いたはずなのに。
どうしてこうも簡単に私は壊してしまうの？
JK「そりゃ僕だって悪いと思ってるけどさっ。
だけどさっ、明らかに対応違うんだもんっ。
僕は「はいはい」なんてあしらってるくせに、
ジミニヒョンの時は優しく頭撫でるじゃんっ」
そんなことをしてるつもりは無かった。
ただ、ジョングクには慣れてしまったからか、
こうあしらえば何とかなる。
そう考えていた。
JK「僕の方がヌナのこと好きなのにっ」
そう言ってグシグシ涙を拭うジョングク。
転んだ子供みたいで可愛いな、なんて、
あまりにも私は性格が悪い。
貴「ごめんねグク」
ただ、そんな私でも、
この子はやっぱり大切なのだ。
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作者名：刹那 | 作成日時：2019年8月9日 20時
