恋 ８６ ページ36
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JK「押してもダメなら引いてみなって、
それじゃあ気付かれないかもしれない」
オ「大丈夫ダヨ！ソレハ！絶対！大丈夫！」←
すごいなこのオウム。
俺、猫よりコイツ飼いたいや。
JK「じゃあ、引いてみるのも考えよう」
オウム先輩の助言だ。
しっかりと受け止めなければ。
そう深く頷けば、
となりにひょっこりとヌナがやってくる。
貴「え？なになに？このオウム喋るの？」
オ「貴女キレイ！スキ！」
JK「は？焼き鳥にすんぞ？」←
オ「…」
あぁ！黙っちゃったじゃん！と、
ポカポカとヌナは俺を殴ってくる。
あの、すみません、地味に痛いっていうか、
貴「何話してたのか分かんないけど、
喋れるなんて立派ね。凄い凄い」
オ (きゅん)←
JK「おい」←
分かったからな今。
きゅんってしたの感じたからな。
ん〜可愛いって入れた指にスリスリすんなよ、
さっき俺が入れた時は思いっきり攻撃した癖に。
JK「ヌナ、時間平気？」
貴「あ、もうそろそろかね？帰る？」
JK「そうしよっか」
柵から出したその手を自然と握れば、
ジトーッとしたオウムからの視線。
絶対、「引けっつってんだろうがボケ」なんて
考えてんだろうなコイツ。
んべっと後ろを向いて舌を出せば、
カチン！と来たのかギャーギャー騒ぎまくるソレ。
貴「え、なんか暴れてるんだけど大丈夫？」
JK「大丈夫だいじょーぶ、平気さ」
暴れすぎて店員に取り抑えられるがよい。
鳥だけに。ははっ。はははは…。←
虚しいな。
貴「うおっ、寒っ」
JK「秋だねぇ」
外に出れば、
まだ冬の寒さではないけれど、
明らかに夏とは違う風が吹く。
JK「この風、好きだな」
貴「さすがアーティスト。言うことが違うね。
わたしゃ寒すぎてもう嫌だよ」
JK「ほんっとにヌナって寒がりだね笑
毎年それ言ってる気がする」
去年も、その前の年も、
毎回毎回この季節になると同じセリフ。
冬になったらどうすんだって思うのも例年通り。
貴「電気ストーブ買わない？」
JK「買いません。去年も買ったじゃん」
貴「えーだってそれはリビングのでしょ？
自分のが欲しいー」
JK「ヌナ絶対窓開けないでそのままだからダメ」
一酸化炭素中毒で死んじゃうよ。
それは本当に嫌だからやめてね。
貴「じゃあ今年はどうやって凌ごうか」
JK「俺の所に来て寝れば？」
貴「あー考えとく。春になったら答え出すわ」
JK「ソレはもう俺がいる意味ないね」
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作者名：刹那 | 作成日時：2019年8月9日 20時
