恋 ７１ ページ21
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V「それでねっ、あのねっ」
子供のように笑うテテを、
少し微笑みながら話を聞く。
なんか可愛いなぁって。
可愛いくせに何処か鋭いから不思議。
そう思っていると、
ポケットに入っていた携帯が揺れた。
無機質な着信音が響く。
貴「ちょっとごめんね、…もしもし？」
ス『今、仕事のことでちょっと良いですか？』
貴「急ぎですか？」
ス『急ぎではないですね』
貴「でしたら、今ちょっと予定がありまして、
１７：００頃に私から掛け直します」
ス『分かりました、ありがとうございます』
プツッと電話を切る。
隣のテテを見れば、ポカンと口を開いているまま。
貴「テテ？」
V「…俺、優先してくれたの？」
貴「え？まぁ、当たり前でしょ」
大きな手で顔を覆う彼。
なのに足はバタバタと動いている。
V「〜〜〜っ、超嬉しい！」
貴「…あ、そう」
ニマァァァッと笑い始めるから、
少し距離を開けて歩く。
その瞬間、
ドーン！とあっちから距離縮めてきやがった。
もう当たっとんじゃワレ。
V「もうAったら本当に優しい子！
キムテヒョンまじで大好き！アイラブユー！」
貴「うるさいよ」
小っ恥ずかしくなって、思い切り彼の腹を殴った。
周りの人は「彼女照れてるwww」なんて、
ちょっと笑っているから腹が立つ。
ってか私は彼女じゃねえ。
V「いっ、、、でぇwwwマジ強ぇwww」
貴「もうホントやめて。
アメリカでアイラブユーマジでやめて」
V「I LOV ゴフッッッ」
ニマニマしながら言い始めるテテの腹をもう一度。
仕事優先にするわよアンタ。
V「Aは恥ずかしがり屋だね…」
貴「そうですね」
V「グクとかジミナに好きって言われた時は、
今みたいに心の中で凄い恥ずかしがってるの？」
貴「…別に」
V「恥ずかしいけど、嬉しいんでしょ」
当たりなんだ〜。と機嫌が良さそう。
私は別に、照れるとかはないけど、
貴「変な気分になるだけよ」
V「…ふ〜ん？どんな感じ？」
貴「この子達大丈夫かなって感じ」
V「もうそれは母性だね」
なーんだ。とテテは頭に手を組み、
つまらなそうに道の小石を蹴った。
それが案外強かったのか、
道の段差にぶつかり自分に返ってくる。
V「いでぇ！！え！？何で！？
凄くない！？すげぇ！！俺スゲェ！」
貴「自分で蹴ったのが自分に返ってくるし、
最初痛がってたのに最終的には自分を褒める。
一文に２回のボケを入れないでほしい」
切実に思う。
コイツは馬鹿だ。
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作者名：刹那 | 作成日時：2019年8月9日 20時
