恋 ７０ ページ20
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YG「なんかさぁ」
静かだったこの空間。
ヒョンが呆れたように声を出した。
YG「お前らって本当に似てるよな」
JM「…」
モゾ…と布団に包まる俺を一蹴。
恐る恐る顔を布団から出せば、
ヒョンの鋭い視線と俺の視線が交わった。
YG「マンネの前では大人ぶってんの」
JM「…別に」
ヒョンは全部お見通しだ。
本当はジョングクに嫉妬していること。
今日隣にいるテヒョンに嫉妬していること。
それを表には出せないこと。
YG「最近Aにベッタリはしてるけど、
アイツ、ジョングクばっかで見向きもしねぇぞ」
JM「分かってます、」
そんなこと俺が１番分かってる。
俺は怖いだけだ。
ジョングクがやったことをAが怒らなければ、
俺はそれを真似する。嫌われたくない。
だから見向きもされないんだ。
いつもジョングクが先だから。
あしらい方を分かってしまっているから。
JM「…嫌だ」
YG「取られるのが？嫌われるのが？」
JM「どっちも」
そう弱々しく呟けば、
ヒョンはフハッと静かに吹き出した。
JM「優しくされるのが辛い。
男として見られてない気がして」
贅沢言い過ぎだろうか。
言い過ぎだな。
でも、
でもさ、
『メンバー』ってだけじゃ満足できないんだ。
JM「男として見られて、
徹底的に嫌われる方がまだ良いです」
YG「まぁそういう考え方もある」
きっとそれも辛いだろうけど。
こんな風になるならいっそメンバーのままで。
なんて思うんだろうけど。
YG「お前は好きって伝えてんの？」
JM「伝えてますよ」
YG「本気で？」
言葉に詰まった。
ジョングクのように「好きだよ」なんて、
俺は真っ直ぐに伝えているだろうか。
「俺も大好きですけど」みたいな、
いつもジョングクの次に言ってる気がする。
YG「それからじゃねぇの。
自分に気持ちを向かせるか嫌われるのかなんて」
何言ってんだろ俺。なんてヒョンは笑う。
俺、変わらなくちゃいけないんだ。
前、ジョングクに言ったことが僕に帰ってきた。
『取られたくなければ自分が変われ』
俺、あの時、ジョングクに言ったの？
ずっと隠れてばっかだった俺に言ったの？
YG「ま、今は女々しいけど、
アイツに何かあった時は男になれよ」
JM「そう言うヒョンが１番男ですよ」
YG「え？ありがとう」←
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作者名：刹那 | 作成日時：2019年8月9日 20時
