恋 ５１ ページ1
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貴「もしもし」
母『あら貴女から電話なんて珍しいじゃない。
今日は凄い怒ってたし』
貴「ごめん、」
確かに事務所では怒鳴り散らしちゃったかも。
でも、それはアンタが悪いし、、、
いやいやこんなこと考えるから素直になれないのよ
ちゃんと言わないと。
貴「私、本当にお見合いするのは嫌なの。
今は仕事が大事で、世界を駆け巡ってる、
私の大好きな７人のマネージャーをしてる。
お母さんがアイドルを見ないのは分かってるけど
ちゃんと、私の仕事を理解してほしい」
母『でも、貴女には幸せになってほしいの』
あぁもう、どうしてこうお母さんは。
イライラしてきた衝動を抑えて、
ふと頭に浮かんできたフレーズを咄嗟に言う。
貴「好きな人がいるのっ。
付き合ってないけど、超大好きなの。
お見合いじゃなくて、そういう人と結婚したい」
母『あらそうなの？やっだぁそれ言ってよぉ』
くそ、要らんことを言ってしまった。
まぁ実家に帰った時に聞かれたら、
もう好きじゃなくなったとでも言っておこう。
貴「だからお母さん、」
母『分かったわ。
貴女がどれだけその仕事を大切にしているのか
ちゃんとお母さん分かってみせる。
BTSだっけ？ちょっとお父さんパソコン起動して』
自分のスマホで調べないんかい。と、
ツッコミたくなる気もするが、
何となく今までの気まずい雰囲気が消えて、
ちゃんと親子として話せた気がした。
母『あっらイケメンばっかじゃないの』
貴「残念なね」
母『その子達と一緒に住んでるわけ？
ちょっと危ないんじゃない？大丈夫なの？』
貴「大丈夫大丈夫。
ちゃんとした人たちばかりだから」
ある１人を除いて。
マンネ、君は除外しよう。
母『そう？まぁそれなら良いんだけど。
好きな人と頑張って♡駆け引き大事よ〜？
お母さん、それでお父さん落したんだから♡』
なにぃ！？というお父さんの声。
あぁ、こんな感じの会話してたな、なんて、
ふと懐かしくなった。
母『じゃあお母さん切るわね。
お父さんにも電話してあげて？
寂しい寂しい言ってうるさいのよ〜』
貴「ふふっ、分かった。
明日あたり電話しようかな」
母『はぁい、これは内緒にしてあげる♡』
バイバイ。と、言って電話を切る。
よし、問題解決だ。
ちゃんと話せば良かったんだ。
怒ってばかりだったからダメだったのね。
貴「一件落着」
私はやっと、肩の荷が下りた気がした。
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作者名：刹那 | 作成日時：2019年8月9日 20時
