ハート泥棒 ２

ハート泥棒 ７８ ページ28

YG「そこ右！」


高速を降りて、

ユンギヒョンの突然の言葉に、

車が猛スピードで傾く。

まぁ夜中だし車もない田舎だから、

事故になる可能性は低いけど…。


JN「あと何分！？」

RM「あと５分くらいかと！」


ナムジュニヒョンから出た数字を聞いて、

車の中がバタバタと忙しくなる。

俺達は銃弾で身体を傷付けないように

防弾チョッキを着たり、

ホソギヒョンは銃弾をジャラジャラと

ポケットに突っ込んでいる。


貴「ユ・コジュン…ねぇ」

V「どうかしたんですか？」

貴「いや、ぶん殴りたいなって」


怖っ！真顔でそれ言う！？

というかAさん殴るだけで終わるの！？

殺しそうな雰囲気醸し出してるけどっ！


JH「俺撃ちた〜い」←

V「ひぃっ！」


斜め前からのホソギヒョンの危険発言に、

俺は少しだけ飛び跳ねる。

ホソギヒョン、冗談っぽくいうけど、

冗談にできない才能あるからやめてほしい。


JN「全員準備はできた？」

全「「はいっ」」

JK「ビルの駐車場に止まったら一気に出てください
そんで、ビルに乗り込みます」

YG「普段なら作戦立てていくだろうが、
防犯カメラも何も無い。ビルの構造もわからん。
人質もいるからな。一刻を争うぞ」


２人の指示を聞いて、全員が頷く。

敵は１人だけじゃない。多分、大人数。


JH「あ、みんなにアドバイス」

V「はい？」

JH「人を撃つ時は殺さないでね。
殺す一歩手前で止めてあげてね」


……………。

あれ、今回1番危険かもしれないこの人。

ニコニコしながら話すホソギヒョンは前に、

『射撃って嫌い。人撃つんだもん』と言ってたけど

その言葉は嘘なのかしら。


JH「仲間が人質だからね。
許すわけにはいかないでしょ。
今回ばかりは俺もビビったりしないよ」


俺の思考が分かったのか、

その言葉の意図を俺に伝える。

そうだ。ジミンとあの女性がいるんだ。

俺達は一切容赦しない。


JH「どうぞごゆっくり苦しんでくださいな」


そうホソギヒョンが言った時、車が急ブレーキ。

ジニヒョンとナムジュニヒョンがドアを開け、

俺達も銃を構えながら出ていく。


…待ってろよジミン。絶対助けるから。







JH「はいどうもこんばんはー」


車から出ても人はいなくて、少しだけ安心。

けど、ホソギヒョンは大きな銃を構えて、

一気にガラスの大きなドアを撃ちまくる。


これがきっと、開戦の合図。


真っ暗だった廃墟の中から、

赤い警告のランプの点灯が見えた。

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