ハート泥棒 ７６ ページ26
車内が度々大きく揺れる。
丁度１５分前くらいだろうか。
警察署に向かって走っていた俺とAさんは、
ジョングクが運転している車に乗り込んで、
目的地へと走って行く。
車の中にはメンバー全員が乗っていて、
誰も口を開かない。
V「…」
貴「…」
Aさんも口を閉ざしたまま、
ずっと窓の外を眺めている。
拳銃の用意もナイフの用意も、
各無線機の接続も完了済み。
だから、ただジミンと女性の安全を祈るだけ。
ジミンのことを考えた瞬間、
俺は柄にも無く不安になって俯いた。
それが分かったのか、隣に座っていたAさんは
ゆっくりと俺の手を握る。
Aさんにしては珍しく暖かい手が、
『きっと大丈夫』
と、そう言っているような気がして、
ふっと緩んだ涙腺を締めるように下唇を噛んだ。
JM『俺さー、自分の役職たまに嫌なんだよね』
ジミン。
少し前、俺に零した弱音が、
お前が、自分の役職を嫌だと言う理由が解ったよ。
怖いよな。
俺達よりも死と隣り合わせだもんな。
俺達がお前の状況が分からないように、
お前も俺達の状況が分からないもんな。
でも、何とか耐えてくれ。
ちゃんと俺達がそこに行くから。
殴られてるかもしれない。
刺されてるかもしれない。
撃たれてるかもしれない。
でも生きることを諦めないでくれよ。
お前は俺の「戦友」であり「心友」なんだ。
俺の目の前から消えて無くなるな。
YG「そこ左折だ」
ユンギヒョンの言葉に思考が止まる。
ジョングクが素直に返事をして、
車が左に少しだけ傾いた。
JIN「あと何分くらい？」
RM「あと４５分程度かと」
JH「長いな」
JK「ちょっと間に合わないんで高速乗ります」
ジョングクの言葉に全員が反応して、
急いでシートベルトを確認。
ジョングクの事だから、高速だと飛ばすはずだ。
JH「ジョングガ飛ばし過ぎるなよ〜？」
JK「わかってますよ」
YG「事故って死んだらたまったもんじゃねぇ」
少しだけ空気が緩む。
隣のAさんもフッと鼻で笑って、
再び窓の外を眺めた。
俺も同じように外を眺めた。
高速の入り口に入って、特有のカーブを走る。
真っ直ぐな道路に出れば、
上から綺麗な街の灯りが眺められる。
貴「星みたい」
そう小さな声で呟くから、
俺はパッとAさんの方を見る。
それに気付いたAさんは、
貴「ん？」
とだけ言って少しだけ微笑んだ。
それが何故だか酷く切ないと感じた。
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刹那(プロフ) - ゆきさん» そう言ってもらえて嬉しいです！読んでくださってありがとうございました！ (2019年2月16日 14時) (
レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 終わりなのがもったいないです！！！楽しかったです！ (2019年2月16日 11時) (レス) id: db83038336 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 21世紀少女さん» ありがとうございます！ファンなんて！嬉しいです！全話見てくれてるなんて嬉しすぎます！これからも頑張りますね！ (2019年1月8日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
21世紀少女 - コメント失礼します、！刹那様の作品全部読ませていただきました、もうとてもとてもストーリーの構成から結末への持って行き方までドキドキハラハラで本当に目が離せません、！勝手にファンになりました(( 今回の作品も大好きです、！更新楽しみに待ってます！ (2019年1月8日 20時) (レス) id: 97ebd3570d (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - primavera2525さん» そう言っていただきありがとうこざいます！更新頑張りますね！ (2019年1月6日 13時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2018年12月8日 20時
