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ハート泥棒 75 JMside ページ25

女「足音っ」


息を整えていた最中だが、

彼女の言葉で咄嗟に走り出す。

無線機も無いし、武器もない。

あっちが銃なんて持っていたらもう。


JM「ここに隠れましょうっ」


半開きになっていた部屋のドア。

中に入れば、ソファやら何やら。

壁際には大きなロッカーが設置してある。

そのロッカーの扉を開け、俺達はその中に入った。

ここで時間が稼げればいい。

Aさん達が来るまで隠れていた方が安全だ。

こんな騒ぎになっているのに、

走り回る方が危険に決まっている。


暗いロッカーの中。

上の方の隙間から外を伺う。

部屋の電気も付いていないから、

全然外は見えないが。


女「…また足音」

JM「ですね」


小声で会話をする俺達。

バタバタと言うより、普通に歩く足音だ。

カツン…カツン…という踵の音。

そして…ドアが開いてしまった。

廊下の光が部屋に差し込む。


アイツは…。ユ・コジュン。

パチリと電気をつけたアイツは、

ソファに足を組んで座った。


女「あの人は…」

JM「この事件の主犯です」


前回の小声より、もっと小さい声。

会話をしている最中も、俺はアイツを見たまま。

特に何をするわけでもなく、

ただ、壁を見つめているだけ。


女「…何で私の親友を殺したんでしょうか」


その理由を俺は知っている。

アイツが容疑者に持ちかけた話の理由を。

言っていいのか、それは俺には分からない。


女「言ってください、お願いします。
…私達、死ぬかもしれないんですよ」


死ぬなんて言うな。

そう思ったけれど仕方がない。

本当に死んでしまうかもしれないのだ。

…俺は気が乗らなかったが、口を開く。


JM「ウイルス目的だそうです。
血液の中にウイルスを入れ、患者に輸血させ死亡。
そのウイルスは飛沫感染するらしいですよ。
…遠回しのテロとでも言いますか」

女「だから医者になる私達を」

JM「話を持ちかけ、断られたから殺したそうです。
こんな話知ったまま生かしてはいないでしょう。
この話、知らないようでしたけど、
貴女は話を持ちかけられましたか?」

女「い、いいえ」


伝わっていなかったのか。と、考えたときだ。

背中が思いっきり押され、

バンッッ!と言う派手な音と共にロッカーの外へ。


突然のことに頭が回らない。

後ろにいる女性の顔を咄嗟に見る。



彼女は、薄く笑い、こう言った。








女「だって、私がこの事件に関わってるんだから、
話を聞く必要も無いでしょう?」

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設定タグ:キムテヒョン , V , BTS   
作品ジャンル:ラブコメ
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刹那(プロフ) - ゆきさん» そう言ってもらえて嬉しいです!読んでくださってありがとうございました! (2019年2月16日 14時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 終わりなのがもったいないです!!!楽しかったです! (2019年2月16日 11時) (レス) id: db83038336 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 21世紀少女さん» ありがとうございます!ファンなんて!嬉しいです!全話見てくれてるなんて嬉しすぎます!これからも頑張りますね! (2019年1月8日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
21世紀少女 - コメント失礼します、!刹那様の作品全部読ませていただきました、もうとてもとてもストーリーの構成から結末への持って行き方までドキドキハラハラで本当に目が離せません、!勝手にファンになりました(( 今回の作品も大好きです、!更新楽しみに待ってます! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 97ebd3570d (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - primavera2525さん» そう言っていただきありがとうこざいます!更新頑張りますね! (2019年1月6日 13時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2018年12月8日 20時

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