ハート泥棒 74 JMside ページ24
JM「ついてきて」
女「え、でも…」
JM「大丈夫ですから」
不安げな彼女を立たせて、
カチャリとドアノブを開ける。
防犯カメラは無いし、人もいない。
というか、鍵が開いてるってどうなの。
JM「これから、ここを出ます」
女「出れるんですか?」
JM「上手くいったら…ですけど」
廃墟だからか、辺りは傷だらけで散らかっている。
夜だし、人もいないから余計不気味だ。
でも、死ぬよりはマシかな。
辺りを警戒しながら、手当たり次第歩く。
本当に誰とも会わない。
でも、窓も玄関も見当たらないという負の連鎖。
後ろの女性を気にしながら歩き続ける。
女「…誰か助けてくれるでしょうか」
JM「きっと。Aさん達がきてくれますよ」
女「そうですよね…きっとそうだ」
Aさんって名前を出せば安心した様な顔。
本当に人を安心させる天才だ、Aさんは。
そう思って突き当たりを曲がろうとした時だ。
廊下で話す誰かの声が聞こえた。
ピタッと立ち止まり、息を潜める。
?「おい、お前が見てこい」
?「何で俺が。眠いし」
?「ってか鍵閉めたのか?ちゃんと」
?「…はっ!鍵閉めてない!」
?「馬鹿野郎!」
バタバタと足音が遠ざかる。
やばい。これは確実にやばい。
会話の内容は絶対に俺達の事だ。
バレたら、この廃墟にいる奴ら総出で探すだろう。
女「…ば、バレちゃう」
JM「と、取り敢えず先に進みましょうか」
まだ、気づいていない。
と思った瞬間のことだ。
廊下に付いている赤いランプが点灯し、
ウーッウーッとサイレンが鳴る。
JM「あ、バレましたねこれ」←
女「ですよね」
こういうセキリュティーはちゃんとしてるんだ。
なんて呑気に考えてる暇はない。
命がかかってるんだ。逃げなきゃ。
JM「走りますよ」
女「は、はいっ」
バタバタという騒がしい足音。
俺達を必死に探しているに違いない。
これで捕まったらどうなるか。
俺達は誰もいない廊下を走る。
周りからはやっぱり足音が響いていて、
「どこだ!」「こっちか!」なんて、
男達の声も聞こえてくる。
それを必死に避けて避けて避けて。
JM「はぁっ…はぁっ」
女「はぁっ…」
思ったんだけど、この女性、凄いな。
めっちゃ足震えてるけど、スピードは速いし。
JM「陸上部でした?」
女「まぁ、高校の頃」
JM「なるほど」
そりゃあ納得。
なんて考えてる暇じゃないと何度も。←
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刹那(プロフ) - ゆきさん» そう言ってもらえて嬉しいです!読んでくださってありがとうございました! (2019年2月16日 14時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 終わりなのがもったいないです!!!楽しかったです! (2019年2月16日 11時) (レス) id: db83038336 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 21世紀少女さん» ありがとうございます!ファンなんて!嬉しいです!全話見てくれてるなんて嬉しすぎます!これからも頑張りますね! (2019年1月8日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
21世紀少女 - コメント失礼します、!刹那様の作品全部読ませていただきました、もうとてもとてもストーリーの構成から結末への持って行き方までドキドキハラハラで本当に目が離せません、!勝手にファンになりました(( 今回の作品も大好きです、!更新楽しみに待ってます! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 97ebd3570d (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - primavera2525さん» そう言っていただきありがとうこざいます!更新頑張りますね! (2019年1月6日 13時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2018年12月8日 20時