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ハート泥棒 72 JM side ページ22

だから俺は嫌なんだ。

この職業が。




JM「…ん」


少しだけ鈍い痛みに目が覚める。

辺りを見渡せば殺風景なコンクリートの部屋。

防犯カメラは…無いか。

案の定、体は縛られて椅子に座っている状態。

これじゃあ、脱出は無理かな。

…ナイフは一応持っていたけど、取られてるし。

あぁ!隠してた無線機も無い!


何か策は無いかと考えている時、

部屋のドアの向こうで騒ぐ女性の声が聞こえた。

ガチャッと乱暴にドアが開く。

俺は急いで目を閉じ、気絶している振り。


男「てめぇは黙って座ってろ!」

女「いやっ!離して!誰かっ!」


きっと俺と同じようにされたのだろうか。

結構危ないこの状況。

なのに、いつもと比べて俺の頭は冷静だ。


男「コイツもまだ起きねぇのかよ」


ガンッと座っている椅子が蹴られ、少しだけ傾く。

反応するな。何をされるか分からないぞ。


俺の椅子を蹴った男は、ただ蹴っただけで、

それ以外何もせず部屋を出て行った。

俺はゆっくりと瞼を開ける。

床に尻餅をついていた女性は見覚えがある。

…あぁ、1週間前の事件の被害者だ。


JM「…大丈夫ですか」

女「…あ、貴方、あの」


彼女は俺を覚えていたみたいだ。

頷きながら俺の顔をまじまじと見た。


JM「覚えてます?」

女「は、はい。貴方、怪我は」

JM「大丈夫ですよ」


こんなこと俺の立場になれば多い事だし、

何より、もう1人この部屋にいるんだから。

警察の俺が焦っちゃいけない。


JM「すみません、縄…解いてもらっても?」

女「は、い」


ごめんね、こんな怖いことさせて。

いつ誰が来るか分からないのに。

でも解けたら俺がちゃんと守るから。

今までいた世界に戻してあげるから。


少し震えた手で彼女は俺の縄に手を掛ける。

ゆっくりだけど着実に縄は緩くなっていた。


女「…できました」

JM「よしっ、ありがとっ」


体に掛かった縄を床に払い落として、

体を一気に伸ばす。ゴキゴキッと骨が鳴った。


JM「ここに来るまで何をされました?」

女「えと、インターホンが鳴って、玄関を開けたら
暴力団みたいな人達がいて…」


暴力団。

きっと俺が潜入していた組織だろう。

インターホンを鳴らしたのは、その一部の奴ら。


女「腕引っ張られて…凄い怖かったから、
ベランダから外へ逃げました」

JM「それで連れ去られちゃったんだ」

女「…はい、Aさんに電話してた時に」


Aさんに電話をかけた。

じゃあ、みんなはきっと…

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設定タグ:キムテヒョン , V , BTS   
作品ジャンル:ラブコメ
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刹那(プロフ) - ゆきさん» そう言ってもらえて嬉しいです!読んでくださってありがとうございました! (2019年2月16日 14時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 終わりなのがもったいないです!!!楽しかったです! (2019年2月16日 11時) (レス) id: db83038336 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 21世紀少女さん» ありがとうございます!ファンなんて!嬉しいです!全話見てくれてるなんて嬉しすぎます!これからも頑張りますね! (2019年1月8日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
21世紀少女 - コメント失礼します、!刹那様の作品全部読ませていただきました、もうとてもとてもストーリーの構成から結末への持って行き方までドキドキハラハラで本当に目が離せません、!勝手にファンになりました(( 今回の作品も大好きです、!更新楽しみに待ってます! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 97ebd3570d (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - primavera2525さん» そう言っていただきありがとうこざいます!更新頑張りますね! (2019年1月6日 13時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2018年12月8日 20時

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