ハート泥棒 61 ページ11
V「ケホッ…」
静かな部屋に響く自分の咳。
頭がボーッとして体も石が乗ったように重い。
暑いのに、寒くて、どうしたら良いのだろうか。
…Aさんに会いたいな。
昨日の夜、
自分でも驚く程の早さで告白しちゃったけど、
返事なんかしなくて良いから顔が見たい。
V「はぁ………はぁ………」
薬飲まなきゃ。
冷えピタあったっけ。
何か食べなきゃいけないよな。
マスクも変えたいし…。
そう考えてベッドから這うように出る。
やっぱり体は石のように重くて、
壁を伝いながらじゃないと歩けない。
そんな時、家のインターホンが鳴った。
その音すらも今は頭が痛くなる。
玄関のカメラを見れば、
俺が今会いたいと思っていた相手。
V「…Aさん」
貴『お見舞いに来た』
V「今…ドア開けます」
Aさんの顔をカメラ越しに見れば、
重かった体が少しだけ軽くなる。
玄関を開ければ、Aさんが本当に居た。←
貴「ご飯は食べた?」
V「まだ」
貴「薬は?」
V「今から飲もうと」
ご飯作ろうか?と、嬉しい提案。
でも俺は40℃近い熱。移したら本当に悪い。
V「ダメです」
貴「そんな怠そうな体で作れるの?」
V「…」
そう言われてしまえば言葉が出ない。
この怠さだとご飯を作る事さえ諦めそうだ。
貴「ほら、テヒョンは寝てな」
V「…はい」
Aさんを家の中に入れれば、
ん。と、ビニール袋を出される。
ゼリーとフルーツ?あとスポドリもあるし。
貴「これ、みんなから」
V「…御礼言わなきゃですね」
一人一人からのお見舞い品。
それにメッセージが書かれていて口の端が上がる。
ホソギヒョンに至っては「臆病者」とだけ。
覚えておけよホソギヒョン。←
貴「キッチン借りても良い?」
V「あ、どうぞ」
貴「はい、テヒョンは寝てる」
重い体をぐいぐい押されて、ベッドへ寝かされる。
冷たい掌が俺の額に置かれて、
「高いね」とAさんは一言だけ。
貴「冷えピタ貼るよ」
買ってきてくれたのだろうか。
ビニール袋の擦れる音がして前髪を避けられる。
ヒタッ…と冷たい物が額に触れて、
少しだけ身体がビクついた。
V「冷たい」
貴「我慢して」
そう言って俺の側から離れるAさん。
どうしよう。
今もの凄くAさんに甘えたいや。
風邪を理由にして甘えたら怒られるかな…。
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刹那(プロフ) - ゆきさん» そう言ってもらえて嬉しいです!読んでくださってありがとうございました! (2019年2月16日 14時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 終わりなのがもったいないです!!!楽しかったです! (2019年2月16日 11時) (レス) id: db83038336 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 21世紀少女さん» ありがとうございます!ファンなんて!嬉しいです!全話見てくれてるなんて嬉しすぎます!これからも頑張りますね! (2019年1月8日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
21世紀少女 - コメント失礼します、!刹那様の作品全部読ませていただきました、もうとてもとてもストーリーの構成から結末への持って行き方までドキドキハラハラで本当に目が離せません、!勝手にファンになりました(( 今回の作品も大好きです、!更新楽しみに待ってます! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 97ebd3570d (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - primavera2525さん» そう言っていただきありがとうこざいます!更新頑張りますね! (2019年1月6日 13時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2018年12月8日 20時