星が降った日 ３３ ページ33
JK「ごちそうさま」
貴「おそまつさまでした」
ジョングクさんは顔の前で両手を合わせ、
深々と私に頭を下げる。
いいのに、そのくらい。
JK「美味かった。ひっじょーに美味かった」
貴「ありがとう」
褒められるのは嬉しい。それもジョングクさんだ。
緩まった口元を瞬時に隠す。
そんな時、ジョングクさんが口を開いた。
JK「…今日、どうした？」
貴「何が？」
JK「何か嫌なことあった？」
食器を片付けようとした腕をパシリと掴まれる。
全てを見透かされているような目で、
私をじっと見つめた。
JK「何か言われた？嫌なこと」
『ジョングクさんと関係を絶ってください』
この言葉が頭に思い浮かぶ。
心臓がバクバク鳴っている。落ち着け私。
この際だから、言ってしまおうか。
やめよう、この関係って。
貴「実は」
そう言って、私はやっぱり口を閉ざす。
嫌だ。言いたくない。やめたくない。
こんな曖昧な関係だけど、
まだジョングクさんの近くに居たいの。
ジョングクさんに必要とされたいの。
JK「実は？」
貴「…仕事が溜まりに溜まっちゃってさ」
少し課長に怒られた。なんて嘘。
今の私、嘘ばっか。
ジョングクさんは「気にすんなよー」なんて、
優しく頭を撫でてくれる。
嬉しいのに。嬉しいのに切ない。
JK「今日はゆっくり休め？な？」
貴「…うん」
JK「じゃあ俺帰るから。飯、ありがとう」
マジで美味かった。と、可愛い笑顔。
…行かないで。まだ私の近くに居て。
JK「なんつー顔してんの笑」
貴「え？」
JK「捨て犬かよ笑」
そう笑いながら、また頭を撫でる。
いいよ。捨て犬でも。
ジョングクさんに拾ってもらえるなら構わない。
JK「鍵ちゃんと閉めろよな」
貴「わかってる」
JK「いいよいいよ外に出なくて。寒いから」
お前は休むの。と、デコピン。
今優しいのはズルイ。
JK「じゃっ！また明後日か！」
貴「うん、明後日ね」
ジョングクさんはドアがピタリと閉まるまで、
手を振っていたので、私も振り返す。
聞いてよ、こんなことしてるのに恋人じゃないの。
手繋ぎも、ハグもしてるのに付き合ってないの。
貴「本当に、変な関係」
それでも、私はやめたくない。
だって独り占めできるじゃない。
例え、付き合ってない偽の恋人でも。
貴「ジョングクさん。好きよ」
もう私以外いない玄関に、
その言葉は虚しく響いた。
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刹那(プロフ) - アイリさん» ありがとうございます！切ない系は初めてだったので嬉しいですっ (2018年12月29日 15時) (
レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ(プロフ) - この話大好きです！ (2018年12月26日 16時) (レス) id: 79b1b9bc2c (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - レイコさん» おぉ！ハンカチならここにありますよっ！ (2018年11月14日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 泣けてきました！頑張ってグク！ (2018年11月14日 21時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - Haruさん» お父さんは私も「こんなに可愛くなっちゃって！」と笑いました笑笑 大好きと言ってくれて嬉しいです！頑張りますね！ (2018年11月14日 18時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2018年10月17日 23時
