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FIGHT ２２ページ22

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傷だらけの手。

それを見るのは久しぶり。

JN「あー、」

痛ってぇ…。

やっぱ人殴ると骨に来んな。

俺らが南行くとすぐコレだ。

『北高』の制服を見るだけで、

いや、制服を着た俺らを見る目が違う。

獲物に飢えた獣みたいな、

それでいて怯える獲物みたいな。

なんて言ったらいいのか分かんないけど、

南は俺らを毛嫌いしてるらしい。

多分、そいつらはパクジミンを頭としてるから。

JN「でも急に殴りかかってくるもんかね」

人通りの少ない道に入った瞬間、

後ろから殴りかかったきた集団。

南高の奴らでは無かったけれど。

ただ、南は『アイツら』が異様に強いだけで、

そこら辺にいる輩は雑魚中の雑魚とも言っていい。

普段喧嘩はしない俺たち。

でも売られた喧嘩は買う。

JN「んまっ、秒で片付けられたからいっかっ」

喧嘩を売られることに対しては許すが、

妹をたぶらかしている南の奴め。

お前だけは絶対に許さん。

あの子の目から涙を落としてみろ。

その瞬間、俺がお前を地獄に落としてやるからな。

JN「待っていろ！この」

貴「お兄ちゃんうるさい！」

JN「ごめんね！」

バンッとドアから入ってきた妹の怒号にたじろぐ。

貴「んもぅ！勉強してるのに！」

JN「ごめんってぇ」

貴「ほんっとお兄ちゃんったら、」

次なにを言おうとしたのだろうか。

急に黙ってコチラを見ているA。

ゆっくりと歩いてきて、

ベッドに腰掛けている俺の目の前にしゃがんだ。

貴「お兄ちゃん、これどうしたの？」

俺よりも小さい手が、俺の手を取った。

Aの目には俺の手の傷。

貴「ねぇ、」

JN「あ、これ変な風に転んじゃってさ。
横に突き飛ばされて手の甲から着いちゃったみたい」

貴「…ほんとに？」

JN「ほんとほんと！」

貴「何で突き飛ばされたの？」

おっとぉ…。

待って全然考えられてない。

JN「あー、ユンギが走ってきたんだよ。
体育でバスケしててさ」

貴「体育か。それなら良かったんだけど」

ちょっと待っててね。

そう言って少し俺の前から消えるA。

３０秒ぐらいで直ぐに戻ってきた。

手には絆創膏。

貴「どうやって手を着いたらこんなんになるか
ぜんっぜん予想つかないけど」

JN(うっ…)

貴「いじめとか、じゃ、無いよね？」

不安げなA。

頭を優しく撫でながら、伝える。

JN「大丈夫だよ」

少し喧嘩してきちゃっただけだから。

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