F I G H T (ページ11)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:212,063 hit

FIGHT １１ページ11

.

俺とあの子２人だけの空間。

あぁどうしよう。

良い加減レジ行かなきゃかな、。

待って、でも、。

そうだ、

JM「これ、お願いします」

そう言ってグミやらパックの飲み物やら、

小さな物を結構買ってレジに出す。

彼女はいつもの通りニコリと微笑んだ。

貴「…はい、お会計１０８０円になります」

JM「これで」

貴「１１００円ですね」

声、綺麗だな。

なんか触れたら割れるガラスみたいに透き通ってる。

貴「２０円のお返しです」

少し触れた細い指が案外冷たくて、

ギュッて握って温めてあげたくなった。

そんなことできる間柄でも無いけど…。

貴「ありがとうございました」

彼女はそう言って商品の入った袋を俺に渡す。

でも、それは受け取らない。

JM「あの、これ、昨日のお返し…」

貴「え？」

JM「肉まんの」

貴「え！大丈夫ですよ！」

あれは私が押しつけたようなもので！と、

焦っている彼女は小動物みたいだ。

JM「貰ってください」

貴「…えっと」

袋をガサッと前に突き出す。

最初は戸惑った様子だったけど、

最終的には優しく笑って受け取ってくれた。

貴「ありがとうございます。頂きます」

JM「頂いてください…」

あ、嫌いなものあったかな。

普通にお菓子とか入れちゃったけど、。

JM「苦手なのとか、入ってたらすんません」

貴「全然大丈夫です！お菓子大好きなんで笑」

微笑むというよりこれは笑ったという感じの表情。

歯を見せて笑うなんて初めて見たから、

ガチンッと体が固まる。

JM「…あの、」

貴「はい？」

JM「学校、どこ通ってるんですか？」

キョトンとした顔。

でもそれは一瞬で、すぐに答えてくれた。

貴「南女学院に通ってます」

JM「え？あの男子校の隣？」

貴「そうですよ」

南女学院って結構なレベル。

隣にある男子校が霞むなぁ…。

貴「えっと、南男子校の生徒さんですか？」

JM「そうですそうですっ。あ、えと、１年で」

貴「私も１年です！同い年だっ」

同い年だっ。同い年だっ。同い年d…。

初めてのタメ口永遠エコー。

ありがとう母さん。俺を産んでくれて。

JM「俺、ジミンって言います。パクジミン」

貴「私はキムAです」

２人して深々とお辞儀するもんだから、

フハッとお互い吹き出す。

JM「タメ口、やめよっか笑」

貴「ふふっ、そうだね笑」

はい昇天。

ありがとう母さん、俺を産んでくれて。←

.