KILLER ５３ ページ3
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V「はぁっ、はぁっ、」
昼間になっても薄暗いこの裏街。
そんな街を俺は駆け抜けていく。
ただAを探すためだけに。
またあの子の笑顔を見たいがために。
肌に張り付くタートルネックの腕を捲って、
目にかかる髪を少しだけ避けた。
V「何処だよ、っ」
何処にも見当たらない。
もしかしたら表の街に？
そうなってしまったら見つかる可能性なんて…。
V「あぁくそっ！！」
近くにあったドラム缶を蹴り飛ばす。
もうボロくなったそれは案外軽いもので、
簡単にガコンガコンッと音を立てて飛ばされた。
イラついたって仕方ない。
何にイラついているのかも分からないんだから。
？「なぁＶさーん」
パッと自分の名前が聞こえた上を見上げる。
その瞬間、目の前に同じくらいの背の人間が、
スタッと建物の窓から飛び降りた。
男「女の子を探してんのかい？」
V「…あぁ」
男「俺、見かけたよー。連れ去る所」
ニンマリと俺に笑いかけながら話す男。
知ってるんだったら教えて欲しい。
それが嘘だったとしても、
少しでも可能性が広がるのなら。
V「頼む、教えてくれ」
ガバッと男に頭を下げる。
Aを助けるためならプライドなんて捨ててやる。
それぐらいの覚悟はあるし、
それだけ俺にとってAは大切で。
男「教えてやってもいいけど、金、ちょーだい？」
あぁやっぱりな。
情報なんてこの街じゃ余裕で金になる。
V「ほらよ」
男「えー、少なくなーい？」
V「本当にあの子がいるなら後で渡す」
男「…乗った」
ズボンのポケットから出した紙幣を、
男はすぐさま自分の胸ポケットに入れた。
俺の言葉に乗ったってことは、
この情報は確からしい。
男「ある１人の男が、気を失った女の子を肩に抱えて
裏街の東側に行った。本当に端の方だったから、
東側に行けば見つかる」
V「本当だな？」
男「おいおいおい、ボスに嘘なんか吐けるか。
プラスの金もかかってんだ。言いやしねぇよ」
呆れたように後頭部を掻く男に礼を言って、
また薄暗い街を走り出そうとした時だ。
パシッと腕を掴むその男。
男「気を付けろよ」
V「は？」
男「近頃お前を狙ってる奴らが数人いる。
きっとそいつらの仕業に違えねぇ」
初めて見た男の目の奥。
それには本当に嘘なんか１ミリも無く、
ただただ真剣だった。
男「帰って来いよ。２人で」
そう言って、ゆっくり背中を押す男。
俺はそのまま振り返らず、走り始めた。
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刹那(プロフ) - サムさん» 読んでいただきありがとうございます！ドキドキさせて頂いたのなら嬉しいです…！こちらこそありがとうございました！ (2020年1月18日 8時) (
レス) id: 7c1d559c3c (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 美優さん» ありがとうございます！読んでいただき嬉しいです！ (2020年1月18日 8時) (レス) id: 7c1d559c3c (このIDを非表示/違反報告)
サム - めちゃくちゃ面白かったです！みんなかっこよくて優しいくてすごくいい人達でドキドキしました！それに私テテペンなのですごく嬉しかったです。こんないい作品書いてくださってありがとうございます！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 3d65728490 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - いい！めっちゃいい！！みんなカッコよすぎる。 (2020年1月16日 2時) (レス) id: ea79e11dc9 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - きききさん» こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございます！本当に嬉しいです！ (2020年1月15日 19時) (レス) id: 7c1d559c3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2019年11月20日 16時
