KILLER ５２ ページ2
.
貴「ん…」
真っ暗だった世界から、
薄らと見えるボヤけた景色。
それが見たことのない場所だと分かるのに、
そう時間はかからなかった。
バッと顔を上げて周りを見渡す。
何の変哲もない部屋。
あるのは今私が縛られて座っている椅子だけ。
何処。
裏街？それとも表？
私を拐ったのは誰。
どれだけ縛られた縄を解こうとしても、
ギチギチとどんどんキツくなっていくだけで、
拐われた身ながら溜息を吐いた。
あーもう、こんなんになるんだったら、
無理矢理にでもジョングクと居れば良かったと、
本当に心の底から感じる。
どーしよー。
なんて呑気に考えながら上を見上げると、
壁の上の方に変な穴が２つほど。
なんじゃありゃ。
貴(あそこから逃げられるんじゃね…？)
この縄さえ解ければ。
ドアもない異様なこの部屋のことだ。
きっとあそこから私をこの部屋にいれたのだろう。
だったら出口はもうあそこしか無い。
ぬぉぉぉぉぉっ…と静かに声を上げながら、
縄を必死に解いていくが、
やっぱりそう上手くはいかないみたい。
もう逆に絡まってる気がするよ…。
貴「あーもぉぉぉ！！誰かあぁぁぁ！」
ガッタガッタ椅子を横に揺らしながら、
きっと誰にも届くことのない声をあげる。
その時だった。
貴「つめたっ」
後頭部にパチッと何かが当たる感覚。
それは本当に冷たくて。
今度は何よ、と足元を見ていた時だった。
貴「え…？」
後ろから、水がゆっくりと流れてくる。
それはどんどんコンクリートの床に広がって、
裸足の私の足を冷たく濡らしていった。
まさか、
そう思い咄嗟に後ろを振り向く。
最悪のことだけど、
本当にもう最悪としか言いようがないけれど、
あの穴のような所から、
少しずつ、水が流れてきているのだ。
それは段々と勢いを増している様な気もする。
これがもし、数十分、数時間経ったとしたら、
私はきっと。
一気に恐怖に晒された。
貴「嫌だ！誰か！テヒョンさん！！」
段々と溜まってきた水を
バシャバシャと暴れさせながら、
届くはずもない声を上げる。
貴「誰か助けて！助けてください！！！」
ジワジワと迫る死の恐怖に、
私はもう訳もわからず泣き始める。
貴「誰か気付いて！！！」
誰か私を。
テヒョンさん、私を、
貴「助けてっ、くださいっ、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 800人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那(プロフ) - サムさん» 読んでいただきありがとうございます！ドキドキさせて頂いたのなら嬉しいです…！こちらこそありがとうございました！ (2020年1月18日 8時) (
レス) id: 7c1d559c3c (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 美優さん» ありがとうございます！読んでいただき嬉しいです！ (2020年1月18日 8時) (レス) id: 7c1d559c3c (このIDを非表示/違反報告)
サム - めちゃくちゃ面白かったです！みんなかっこよくて優しいくてすごくいい人達でドキドキしました！それに私テテペンなのですごく嬉しかったです。こんないい作品書いてくださってありがとうございます！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 3d65728490 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - いい！めっちゃいい！！みんなカッコよすぎる。 (2020年1月16日 2時) (レス) id: ea79e11dc9 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - きききさん» こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございます！本当に嬉しいです！ (2020年1月15日 19時) (レス) id: 7c1d559c3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：刹那 | 作成日時：2019年11月20日 16時
