反撃34 ページ34
JK side
番組は延期になり、
スタジオから姿を消したAを探す。
他のメンバーはまだ混乱しているのか、
「楽屋に戻るわ」とだけ。
僕も驚きはしたけど、Aの方が辛いはず。
今はきっと1人で泣いている。
多分、アミョンさんと話していた場所だろう。
飲み物でも持ってソファに座ってるんだろうな。
なんて想像してしまうからもっと辛くなる。
僕は駆け足で自動販売機のある場所へ。
…あぁ、本当に泣いてた。
ソジュンの時みたいに泣きじゃくるんじゃなくて
ただただ静かに。
JK「Aさん」
貴「…」
呼んでも気付かない。
それだけ心が荒んでいる証拠。
僕はもう名前なんて呼ばず、
無言で前からAを抱きしめた。
貴「…ジョングク」
驚いたような、そんな声で僕の名を呼ぶ。
それでも、少し涙で潤っているけど。
JK「辛かったですね。大好きでしたもんね」
貴「…うん。大好きだった。大好きだった!」
必死にその小さくて綺麗な手で僕の服を掴む。
ボロボロと流れる涙が僕の肩を濡らした。
僕は優しく頭を撫でてあげる。
貴「大好きだったの!親友みたいだったのっ!
いつもここで喋ってさっ、カトクもしてさっ。
相談に乗ったり乗られたりしてさっ」
本当に大好きだったのっ…。
そう泣きながら言うA。
きっと、Aは前から犯人がわかっていたはず。
それなのにアミョンさんと仲良くしたのは、
人間として好きだったから。
やめようと考え直してくれると
小さな希望を持っていたから。
貴「でもこれからアミョンはいないのよっ」
警察に言わなかったとはいえ、
自分のせいで狂い、自分のせいで連れていかれた。
それが何より辛いのだろう。
JK「…A、こっち向いてください」
貴「…」
小さく頭を横に振るA。
こんなに泣いているんだ。
顔を見せたくないのだろう。
JK「ねぇ、こっち向いて」
僕はAから離れて顔を上に向ける。
泣いていても綺麗だな。なんて呑気な僕。
怒られちゃうから言わないけれど。
JK「涙、止まりませんね」
未だにボロボロと流れてくる涙。
それを親指で拭い、僕は小さく微笑む。
貴「見ないでよっ」
JK「嫌ですよ。こんな可愛いところ見ないなんて」
Aは僕の腕を必死に掴んで降ろそうとするけれど
泣いてるせいか力が全然入ってない。
なんか、小動物に掴まれてる気分だ。
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刹那(プロフ) - レイコさん» 有難うございます!そう言ってもらえると凄く嬉しです!頑張っちゃいます! (2018年10月6日 22時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 続きが気になるーっっ!いつも楽しみにしてます! (2018年10月6日 21時) (レス) id: 70385ca26b (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます!テヒョンはギャップですね!頑張ります! (2018年10月4日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - テヒョン素敵すぎてヤバし。この作品大好きなので応援しています! (2018年10月4日 23時) (レス) id: a1b830d519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2018年10月3日 7時