反撃３３ ページ33
静か。
ただその一言に尽きる。
私はメンバー達の方を向いた。
全員と目を合わせる。
あぁ、全員泣きそうじゃないか。
そりゃあそうだよね。
信頼していた人が私を殺そうとするなんて。
それも全部計画が伝えられていたなんて。
そう考えていた時、ナムジュンさんが口を開いた。
RM「…怪我は」
貴「大丈夫です。ほら、無傷」
ヒラヒラと両手を上に挙げて振る。
ナムジュンさんはホッとしたような顔をした。
YG「本当に倒せたな」
貴「私は嘘言いません」
YG「…まぁ確かに」
フッと私が笑えばユンギさんも口の端を上げる。
それがいつもと同じで嬉しかった。
ジンさんも何か言いたげだったけど、
メンバー全員が監督に呼ばれて其方に向かった。
貴「…ちょっと、疲れたな」
そう呟いてスタジオからドアに向かって歩く。
その時、「大丈夫？」「怪我は？」など、
チラホラと声をかけてきてくれる人もいた。
その人達には笑顔で「大丈夫ですよ」とだけ。
スタジオのドアを開けて、
アミョンと良く話した自動販売機のあるソファへ。
『Aさんっ！今日はですね！』
『これオススメですよ！使ってみてください！』
『Aさぁん…どうしましょうぅ』
『泣き崩れるに決まってるっ…』
全てが鮮やかな思い出だった。
私より小柄で、可愛い女の子。
隣にいつもちょこちょこ付いてきて、
Aさんっ！なんて元気に呼んでさ。
私はソファから立ち上がり、
いつも買ってあげたアイスココアのボタンを押す。
ガコンッと静かな場所には大きな音。
私は冷えた缶を取り出した。
プルタブをカシュッと開ける。
そして一口。
貴「…なんか、しょっぱくない？」
甘いはずのココアが今は塩じょっぱい。
俯けば、ポタポタと落ちてきた雫。
貴「…泣いてるの？私」
だから塩じょっぱいのか。
なんて呑気なこと考えてるくせに、
溢れ出てくる涙は止まらない。
貴「全部、あの笑顔は嘘だったのね」
私が心の底から可愛いと思っていた笑顔は、
全部今日のための笑顔だったのね。
全部、私を殺すための貴女だったのね。
貴「バカみたい。私」
あんな笑顔も見抜けずに、
あんな心も見抜けずに。
楽屋でユンギさんに言った言葉を取り消したい。
『お前は人のこと良く見てるなこの野郎』
『マネージャーですから』
人の心も見れないで、
何がマネージャーだ。
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刹那(プロフ) - レイコさん» 有難うございます！そう言ってもらえると凄く嬉しです！頑張っちゃいます！ (2018年10月6日 22時) (
レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 続きが気になるーっっ！いつも楽しみにしてます！ (2018年10月6日 21時) (レス) id: 70385ca26b (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！テヒョンはギャップですね！頑張ります！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: c8b3225801 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - テヒョン素敵すぎてヤバし。この作品大好きなので応援しています！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: a1b830d519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2018年10月3日 7時
