ごめん、好きみたい。 (ページ16)

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1日目の夜の始まり。

さっきまで楽しくトランプをしてたはずの私たちは、咄嗟に近くの布団に隠れた。

別の部屋の子が来てたのが分かったら絶対怒られるもんね。と思いつつ、目を開けると、目の前に涼くんの顔がドアップで映し出された。

「！？」
「しー、」

ｶﾗ、とドアが閉まる音がすると、私たちは全員体を起こした。

そんな中涼くんが「A、ちょっとこっそり着いてきて欲しいんだけど..」と言って手を握った。

冷やかされながらコートを着て、外に出ると、もうすっかり寒く、クリスマスムードになった街。

「もうクリスマスだね、今年は2日とも平日だからだるいよ～」
「はは笑まあそれは仕方ないよ笑Aちゃんと2日とも空けといてね？」
そんな会話を繰り返していると、ふと右にあった結婚式場に目が移る。

小さい時は無邪気に綺麗だって、Aも運命の人と結婚する！なんて願いを抱いてたっけ。

本当にそんな人と結婚できるなら....

と思いつつ、横目に涼くんを見ると、私の様子には気づかず式場へ入っていく。

「これやったら絶対遊びだって思われるかもしれないけどさ、」

そう言って私に「左手出して？」と言うと、その手を持ち、薬指にリングをはめる。

「......これ..」
Right-onで見てたペアリング。
びっくりして目で涼くんを見ると、照れたように微笑んだ。

「小さい時の夢みたいな遊びのつもりじゃなくて...その、これから先、ずーっと、俺の横にいるのはAがいいって思ってさ。俺まだ高校生だから財力も何もないけど、絶対手に入れて迎えに行くから...」

予約、していい？

そう愛おしそうな目で言われて、満面の笑みで頷いた。

「よかった....」
「私も同じこと思ってた」
そう一言だけ交わして目を合わせると、ちゅ、と触れた唇。

「......!?///」
「ふふ、かわい、だいすきだよA」

そう言ってまた唇が触れる。

ドキドキなんかじゃ足りないくらいに、心臓が煩い状態で宿舎に戻ると、2日目の朝を迎えた。