ごめん、好きみたい。 (ページ3)

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「かーお」
舞依にそう言われ、頬に手をやると、上がった口角と熱い温度。

照れながらにやけてたのか、と思いつつ顔を戻すと舞依が苦笑いしながら言う。

「んな見つめてるくらいなら告れば？」
「え”っ？いや、無理無理...」

ついそんな声が出る程びっくりする。

だってほんとに無理に決まってる。

中学の時、舞依と仲が良くて、結構上のカーストにいた涼くんは、その時から分け隔てなく誰にでも優しくて。

家を出てすぐ、中2の時、誰を信じればいいのかもわからなかった時。

あるテスト日の放課後、「え、何大変そうだね、手伝うよ」と一言言って、ノートを運ぶのを手伝ってくれて。

言い間違いやらなんやらも激しいけど、計算なんでしょ？って疑って。でも、

「あれ？こっちじゃないの？」
ここなんだけど...と思ったと同時に、ここまで天然なら全部素なのかな、優しい人がいるんだなぁって。

で、後日舞依が誘ってくれて、涼くん、舞依、大叶(たいと)くんのいるカーストのトップグループに私も属すことになった。

.....話せばいいじゃん？ってみんな思うよね？
意外と話せないんだよ、仕事とは違って気を使わない素の好きだから、バレて引かれるのがいちばん怖い。

「いや普通に引かれるわ」
「俺もAに同意見～」
ふわふわとウェーブのかかった天パに、塩素で傷んだ茶髪を揺らして私の横から頷く大叶くんに「だよね？」と同調する。

「んなのやってみなきゃ分かんないじゃん？」
「いやでも」
「あーもうなんかネガティブ！それ禁止！涼く～ん」
あ、やばい....。

そう思ってももう遅くって、「なに？」といつも通りの優しい声で振り向く涼くんに、「Aが言いたいことあるんだってさ」と言い、こっちを見てにやつく。

「大叶くん～」
そう言って最後の砦の大叶くんに泣きついてみたけど、「こうなったらもう無理だな...」とか呟いて、頑張れって背中を叩くから、1人で勝手にパニクる。

「A？」

......あー...もう！

後には退けない！

「りょ、涼くん！あの、....」

「好きです！」

あ、やばい。

言っちゃった。

内心焦りまくる私に、心配げに見てる大叶くん、よくやった！みたいに見守る舞依と、告白した張本人の私。

4人に囲まれ、涼くんはゆっくり口を開いた。