ごめん、付き合ってる人いるんだ。【角名倫太郎】 (ページ37)

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36.告白ページ37

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ダンス審査の2年生は角名くんに治くんと侑くんだった。

銀島くんはこの3人とかなりの僅差だったらしい。

次は二次審査。今は1年の男女6人がステージ上で告白してる。

まずは、学年ごとにトップを男女1人ずつ決めるらしい。

そして最後の男女3人ずつのうち1人づつがミス稲荷崎とミスター稲荷崎らしい。

《1年生の告白が終わりました！！投票は三学年とも終わってからしますので！次に！2年生です！！》

二年生の6人が舞台に上がる。

バレー部での人気を誇る侑くんたちのおかげか、さっきの1年生達の時より歓声がヤバイ。

《それでは！人ずつお願いします！》

先に男子。次に女子、7組の子、次に凛、そして私。

他の人たちの告白に耳を傾けずに考える。角名くんの告白を聞きたかったけど、聞いたらもう角名くんを諦められない気がする。

告白、告白ねぇ、別に愛を告白しろって言われてないし、
そもそも告白って内に秘めたことを自白することでしょ？

うーん、告白、角名くん、

はっ、違う違う、今角名くんは関係ない。

……いっそのこと、ここで角名くんの名前は出さずに角名くんに想いを伝えてしまおうか。

その方が心のモヤモヤがスッキリする気がする。

凛「A、最後あんたやで」

『あ、うん』

マイクを片手に前に出る。

私にだけが資産が集まる。緊張はする。

でも、なんか心地いい。

『こんにちは、2年1組の瀬戸Aです。
まず、前置きに私は現在進行形で好きな人がいます』

会場がざわつく。

当たり前だ。

『そして、最近。失恋してしまいました。
告白したり、相手に何か言われた訳ではないのですがその人の好きな人が分かっちゃったんですよね。
1番辛い失恋の仕方です。

いつまでもウジウジしてられませんので、この場で吹っ切れてしまおうと思います。』

みんな真剣に聞いてくれてる。

失恋を確信した時のことを思い出しながら話す。

だんだんと声が枯れてく。

もう、涙が溢れてしまいそう。

いや、もう溢れてるかもしれない。

それでも、それでも精一杯前を向く。

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『ごめんなさい、好きでした……』

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無理やりあげた口角。

今にも消えてしまいそうな声。

頬を流れる冷たい水。

会場の全員が息を飲む音。

__ごめん、角名くん。好きでした(. . .)。