37.席替え ページ38
その後、倫太郎に家まで送ってもらい、明日の始業式の準備をした。
倫太郎に侑が好きなんでしょ?と、さっき言われて、
〈私は侑の事が別れた今も好きなんだ〉
と、実感させられた。
あの、東京合宿以来、侑の事を徹底的に避けていた。
それに加えて、好きと言う事を実感して余計に顔を合わせ辛い。
ボフッと布団の上に乗って、明日からどうすれば良いか考えていたらいつの間にか寝てしまっていた。
.
.
翌日
『ふぁぁ〜〜』
始業式の日は朝練が無いので、いつもよりゆっくり来た。
?「A、おはよ」
『あ、倫太郎。おはよ』
倫「眠そうだね?大丈夫?」
『うん、まあね』
倫太郎と下らない話をしながら、学校へ向かった。
『じゃあ、部活でね』
倫「うん」
倫太郎とは教室が違うので私は2組に、倫太郎は1組に入って行った。
自分の机に荷物を置き、侑と会う前に友達のところは行く。
時間になり、全校生徒が体育館へと向かい、校長先生や生徒指導の先生の長ったらしい話を右から左へ聞き流す。
教室に戻り、侑の隣の席に座る。
担任「2学期も始まるので、席替えをしようと思う!席替えの仕方はくじ引きな!皆んな、恨みっこなしだぞ」
「えーー」
「よっしゃぁぁ!」
教室から様々な声が上がる。
もちろん、私と侑はお互い無言。
侑は誰かに話しかけもせず、膝を机に乗せ手の上に顔を乗っけどこかを見ている。
席替えか……嫌、だな
侑はどう思っているのだろう。
担任「じゃあ、くじ引いてけーー」
順番にくじを引いていく。
私の番号は17番。
女子で1番遅い数字。
あ!窓側の1番後ろ!
これ以上ないって言うぐらいの最高の席。
チラッと侑の番号を見る。
6番。
廊下側の1番後ろ。
かなり離れたけど、対角線上の最高に遠い場所ではない。
でも、私の席から侑の事、見ることできないじゃん。
全員がくじを引き終わり、ガタガタと机を動かし始める。
別れの挨拶もなしに、離れる。
あ、侑の隣の席、
珠莉ちゃんは結構可愛い子。
よく、告白されている所を見かける。
侑に話しかけてる。
侑の肩に触ってる。
侑に笑いかけてる。
侑も笑ってる。
あぁ、嫌だ。
もう見たくない。
侑と珠莉ちゃんをみて、私は机に突っ伏した。
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Ut(プロフ) - 面白いです!いつも見てます。オチは角名がいいです! (2020年9月27日 18時) (レス) id: b32c4e10d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーーべすな | 作成日時:2020年4月29日 23時