お稲荷様は女狐の味方【稲荷崎】

45.記憶 ページ48

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立「先輩、お腹の左の方と太もも、ふくらはぎの左側に大きな怪我してますよね。」

『怪我、確かにあるわ

何針も縫っている跡がある。私が記憶戻った時母になんで怪我したのか聞いたけど教えてくれなかったの』


立「その、怪我。私がさせたんです。

先輩が倒れて記憶を無くしたのは6月ごろと聞いています。

その、3ヶ月ほど前。私が、中2の時。

先輩が、車に轢かれそうになる私を庇って、怪我をしたんですよ」


『…えっ？』


ｷｲｨｨｨｨｨｨｨｨﾝ______


それを言われた時、頭が真っ白になって、高いモスキートーンのような音が流れた。


『ｳﾞｯ、はぁはぁ』


___『危ない！！』

___「なんで私なんか庇ったんですか！」


___「ほんとムカつく」


___「今までいじめてきた私なんかを！」




『はぁ、はぁ』

走馬灯のように流れる映像。

きっと今まで無くしていた記憶だろうか。



『思い、出し、た、、立華ちゃん、、バレー部？』

立「そうですよｯA先輩の後輩でした。

当時気に食わなくて、散々先輩をいじめてたんですよ。

それ、なのにｯ、私なｯんか庇ってｯ」



二人でボロボロと涙を流しながら話す。


立「いじめてた私を庇って怪我して、

倒れて記憶喪失になって、

私なんかお構いなしって感じで、

稲荷崎のバレー部のマネになってて、

今こんな事されても、またマネやらないか聞いてきて

どんだけお人好しなんですか」

『どこまでもお人好しかもね。

立華ちゃん、マネ、やってくれる？』

立「もちろんですよ」









春の高校バレー 通称 春高。


一回戦 稲荷崎高校 敗退









あぁ、これで終わりなんだなって思った。

ポロポロと涙を流す。

侑「来年は」

治「来年こそ」

角「俺たち稲荷崎が」

銀「春高の」


「「「「『頂(いただき)に立つ』」」」」

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