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足りない食材を近くのスーパーで買って戻ってくと
「Aちゃん!おわった!!」
「治早くない?」
「飯関わっとるからやろな」
『じゃあ、治くん手伝って〜』
「おん〜」
1番に終わらせたのは治くんらしく、ほかほかの顔で手伝ってくれる
普段から自分用の追加ご飯を作ってるらしく手際が良かった
『治くん、手際ええなぁ』
「俺の作る飯うまいで〜」
『いつか食べたいわ〜』
「今度うちきたらええやん」
「なんや、ええ雰囲気やな、あの2人」
「「……」」
リビングの方はやたら静かで黙々と課題と向き合ってる
銀くんが侑たちを手伝う必要がないと判断したのかキッチンにきて、食器やカトラリーを人数分用意してる
なんだか場所がわかってるらしく度々倫太郎の家にみんなできていたんだなと思った
料理も終盤に差し掛かった頃倫太郎が終わらせた
侑は最後の問題に苦戦しているらしい
『侑手伝ってくるで、治くんお料理よそっといて』
「ほ〜い」
ローテーブルで頭を抱えている侑
『どお?』
「これが解説読んでも分からんのや」
『あぁ、それな、解説も色々すっ飛ばしとるからな
これはな、この式をこう展開してこっちの式に代入すんねん
そすると、yの値が出て、点Pが求められるんよ
ここまではわかる?…!』
教えるのに夢中でだんだん机に乗り出してワークを覗き込む形で教えると
いつの間にか侑との距離はゼロになっていた
侑の顔を見ると思ったより近くて驚く
というか目があった
まるで、ずっと私のことを見ていたような…
蜂蜜が溶けるような甘い瞳
「A、」
2人の時だけ言ってた名前を今この状況で呟いた
「男4人もおる場所でこんな腕も足も出た格好したらあかんで」
ペンを持っていない左手を下に下ろして私の太ももを人差し指でつーっとなぞり
そのまま内腿の方に手を伸ばしふにふにと指先を動かしている
背中がぞわぞわする
他の3人から見えなくない場所だ
どう考えても、他人に見られていい状況じゃない
『ゃ、やめて』
「…ちゃんと反省してや?」
『…』
「俺以外に見られるん、いやや」
さっきまでの熱のこもった視線はどこへ行ったのか手で口を隠し目を逸らす
耳と首が赤くなってる
「侑できた?そろそろ食べようよ」
『あうん、もう終わった!』
侑から逃げたくて、解説も途中だけど終わったことにして皆の方に戻った
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作者名:ちーーべすな | 作成日時:2024年2月23日 12時