魔法の日記【宮侑】 (ページ23)

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翌日目を覚ますと、目がパンパンに腫れていた

冷やそうと思って水道に向かう

「A、おはよ」

肩をポンとたたかれ後ろを振り向くと倫太郎がいた

なんだか気まずいなと思いながらあいさつをする

『はやいね、まだみんな寝とるやろ？』

「なんだか目が覚めちゃって、相手してよ」

『もう私ご飯作り始めるで？』

それでもいい、と倫太郎は私に着いてきた

私がキッチンで作業している間も会話は続いた

前みたいに普通に話せている

振ったからといって気まずい関係にならなくてよかった

「なんや、2人とも早いな」

食堂に入ってきたのはいつもは1番遅い侑だった

「侑はよ」

「昨日はよ寝たから、目ぇ覚めてまったわ」

『そんな睡眠時間ぴったりな感じなん？』

早く寝たら早く起きて、遅く寝たら遅く起きるって感じ？

侑が来てもなんら変わらず会話が続いた

なんか、前みたいに戻れてる

朝ごはんが作り終わる頃、ちらほらと部員が食堂に顔を出し始めた

6日目も無事に終わり、7日目は午前練のみである

なぜなら、午後はお楽しみの

「「「「バーベキュー！！！！」」」」

からの

「「「「肝試しぃ！！！！」」」」

だからである

バーベキューの準備大変だった…

あの肉塊がペロリとなくなってしまうのだから恐ろしい

たぶん、3割治くんが食べてるけど…

お皿に乗せたお肉をもぐもぐと咀嚼する

疲れた体に沁みるぜ

「Aちゃんほんまお疲れなぁ、これも食い？」

隣に座る治くんのお皿(×2山盛りもはやエベレスト)からお肉をもらった

治くんから食べ物を分け与えられるほど私はやつれたのだろうか

横ではむはむはふはふ言いながらお肉を吸い込む治くん

「せや、Aちゃん最近顔色ええよな」

『かおいろ…？』

「昨日くらいからスッキリした顔しとるわ」

そっか、そう見えるんだ

治くんに隠し事は無理やな

遠くで侑と倫太郎が話しているのを見つめる

『おん、気持ちに区切りつけたからな』

「よかったなぁ、途中追い詰められた顔しとったもん

それ聞けて安心したわぁ」

治くんはお箸をお皿のにせてその手を私の頭に乗せた

ぽんぽんと髪の毛の流れに合わせて手を動かす

「サム！！みつばちゃんに触んな！！！」

「げっ、めんどくさいやつ来よった」

双子の空気が不穏になると北さんの冷たい声が入ってきた

「肝試しのペア決まったで」